1日、映画『砕け散るところを見せてあげる』完成報告舞台挨拶が都内にて行われ、W主演を務めた中川大志石井杏奈に加え、共演する井之脇海、松井愛莉北村匠海矢田亜希子原田知世堤真一、SABU監督が登壇した。コロナウイルスの影響で2年ぶりという歳月を経ての公開となった本作、SABU監督は「自信しかない作品」と言い切り、出演も出来栄えを「3回観た」「4回観た」と、賞賛していた。

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 『砕け散るところを見せてあげる』は竹宮ゆゆこの原作の初実写映像化。高校生3年生の濱田清澄(中川)は、「学年一嫌われ者」と呼ばれ、孤立していた1年生の蔵本玻璃(石井)を、いじめの手から救い出そうとする。清澄は玻璃の愛らしさと心の美しさに気づき、玻璃は清澄に感謝と憧れの想いを抱き、ふたりは心の距離を縮めていくのだが、玻璃には誰にも言えない秘密があった。

 本作にて、北村は清澄の息子・真っ赤な嵐を演じた。北村は中川&石井を見やりながら、「ふたりの息子っていうのが何とも言えない感情というか(笑)。僕は1日だけ、クランクアップの日に原田さんとふたりで参加して。きっとふたりが作り上げた現場の空気がすごくよくて、僕は溶け込むように、自然な流れで演じることができました」と言い、「映画を3回くらい観ました。好きで、すごくいい作品だったので、参加できてよかったなと思いました。同世代として主演のふたりを誇りに思う」と、ふたりに笑顔を見せた。

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 北村の熱いエールを受けた中川は、「匠海とは同じ事務所で、小学生のときから一緒にレッスンを受けた仲。ちゃんと一緒に作品で(共演に)なることが実はあまりなかったので、自分が主演の作品に匠海が出てくれたのは、すごくうれしかった!」と感慨深い表情に。

 中川も「絶対にこの役をやりたいと思っていて。20歳になったばかりのときに撮ったんですけど、年を重ねていったら忘れてしまうだろう10代のときの気持ち、大人と子供の狭間の瞬間にしかできなかったことを、監督にいっぱい切り取っていただけたのでは、と思っています。大切な作品ですし、宝物のような、成長させてもらった作品だと思っています」と、これ以上ない愛情表現で作品を紹介した。

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 体当たりの演技を見せた石井も、「今日、役者を仕事にして、生きていてよかったなって本当に幸せに思っています。この作品の撮影が終わった後は抜け殻状態でした。それくらい全力を尽くした作品になったと思いました」と決意の表情を見せていた。

 また、本作で『DRIVE』以来のタッグを組んだ堤&SABU監督。旧友の間柄だけに、堤は、「もう撮影のときのことは覚えていない」と悪態をついてみせていたが、結局、「SABUの作品はどうしても友達として厳しく観てしまうけど、この作品は本当に(主演の)ふたりに見入りましたね!」とうなっていた。SABU監督も「とにかくキャストがすごくよかったので、全部掬い取ろうと必死でした。久しぶりの堤真一にも、ちょっと頼ってしまいましたが。結局そういう芝居をするのかって急遽シーンを増やしたりして。映像は最近ベルリンで仕上げているんですけど、日本映画では出せない色とか、CGも。とにかく面白いのでぜひ劇場で観てほしいです」と、太鼓判を押していた。

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 『砕け散るところを見せてあげる』は4月9日(金)より全国ロードショー。

取材・文・写真:赤山恭子

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