第42回日本アカデミー賞をはじめ数々の映画賞を総なめにした映画『孤狼の血』(18)。その続編『孤狼の血 LEVEL2』が8月20日に公開される。これまで松坂桃李・鈴木亮平・村上虹郎・西野七瀬・中村梅雀・早乙女太一・斎藤 工・吉田鋼太郎の出演が発表されていた同作に、前作に引き続き、滝藤賢一・中村獅童・音尾琢真・矢島健一が出演することが明らかになった。
舞台は前作から3年後の広島。かつて架空都市・呉原の裏社会を治めていた伝説の刑事・大上章吾(役所広司)亡き後、その遺志を受け継いだ若き刑事・日岡秀一の“その後”が描かれる映画完全オリジナルストーリー。そんな日岡秀一は前作から引き続き、松坂桃李が演じるが、前作からの続投キャストは松坂だけではなかった。
日岡が県警への応援で参加することになったある事件の捜査本部で指揮を執る管理官・嵯峨大輔を演じるのは滝藤賢一。日岡との対面シーンを“初恋の人”に会ったような気持ちで表現したという滝藤。前作では監察官として登場し、直属の部下である日岡の裏切りによって、危うくその立場を失うところでしたが、その積年の恨みたる日岡への“偏愛”がどのような形で物語にかかわってくるのかが今回の見どころだ。滝藤は「孤狼の血」シリーズへの再出演に「皆様の気合いの入り方が凄まじくて、テンションを合わせるのが大変でした」と語り、特に、松坂演じる日岡にどう接し、因縁ある2人がどのような火花を散らし合うのか期待が膨らむ。
裏社会と結びつく日岡を密着マークする安芸新聞の記者・高坂隆文を演じるのは中村獅童。前作では大上の違法捜査を取材し、大上を自宅謹慎に追い込んだ高坂。不気味に現れる記者を演じた中村は、今回の自身の役について「高坂のもついやらしさや異質な雰囲気が、物語の中でスパイスのような存在になればいいなと思います」と語り、更なる怪演を予感させる。前作ではなかった松坂との共演シーンについては「熱量のある芝居が出来た」と振り返り、高坂と日岡=マスコミVS警察というきな臭い構図がミステリーのレベルをぐんと引き上げる。
前作では広島仁正会加古村組の荒くれ者で、身体のとある部分に真珠を入れ込み暴れ回っていた吉田滋を演じるのは音尾琢真。時代は変わり、今作で吉田は何と広島仁正会とつながる企業である、「パールエンタープライズ」の社長の座に君臨している。吉田の代名詞ともいえる“パール(真珠)”を冠した会社のトップで髪型は七三・顔にはちょび髭という、前作とリンクしつつも180度違った出で立ちに、吉田社長が一体どんなキャラクターになって、物語に関わってくるのだろうか。
また、日岡をはじめ曲者揃いのデカたちを取りまとめる呉原東署刑事二課の暴力班捜査係係長・友竹啓二役には矢島健一。前作から引き続きマル暴のトップとして日々呉原の治安を守り、また東署から県警本部の捜査に参加する日岡にも気を配るような役どころだが、そんな矢島は続編の撮影について「クソ元気な若い乱暴者が山ほどいて、白石監督の変態オヤジぶりがパワーアップしてもう大変な賑やかさでした」と振り返った。呉原東署メンバーたちの活躍も楽しみだが、友竹だけは果たして最後まで日岡の味方となり得るのかどうか、物語の行く先も気になるところだ。
滝藤賢一(広島県警本部・捜査一課 管理官 嵯峨大輔役)コメント
皆様の気合いの入り方が凄まじくて、テンションを合わせるのが大変でした。いかにして日岡への復讐を果たすか、3年間、それだけを胸に虎視眈々と狙っておりました。長かったなぁ。再会のシーンでは憎しみなのか怒りなのか、自分でもどんな感情が湧くのか楽しみでしたが、やっと会えたという喜びからかまさかの恋心を抱くという不思議な現象が起きました(笑)。完成が待ち遠しいですね。痺れるくらい面白いと確信していますから。
中村獅童(安芸新聞 社会部・記者 高坂隆文役)コメント
実は前作撮影中に監督から続編をやるかもしれないと伺っていまして、その時から何がなんでも出演させて欲しいと熱望していましたので、今回また出演させていただけましたこと、大変光栄に思っています。高坂はどんな人にもずけずけと突っ込む嫌な奴です。でもその高坂のもついやらしさや異質な雰囲気が、物語の中でスパイスのような存在になればいいなと思います。
前作では松坂さんと絡まなかったので、今回ご一緒できて嬉しかったですし、熱量のある芝居が出来たのではないかと思っています。
音尾琢真(パールエンタープライズ社長 吉田滋役)コメント
コロナ禍で撮影する気概と、呉の空気感に触れられる喜びを感じた撮影期間でした。前作では、あるところに埋め込まれた真珠をとられるくだらない男で、今回は企業の社長として堅気になっていますが、七三にしても着飾っても吉田は吉田。ただ、身一つでのし上がっていこうとする男の思いは変わらず、それでも頑張っているぞという人間のバイタリティを表現しました。結局は真珠縛りのキャラになっていますが、非常に楽しかったです。
矢島健一(呉原東署・刑事二課 暴力班捜査係係長 友竹啓二役)コメント
久しぶりの呉には、ガミさんも土井ちゃんもいなく、イラコの親分も一之瀬もいなくて、寂しくなっているのかと思いきや、クソ元気な若い乱暴者が山ほどいて、白石監督の変態オヤジぶりがパワーアップしてもう大変な賑やかさでした。TV放映など知ったことかの潔さ。もう最高でした。呼んで頂き、本当にありがとうございました。大ヒット祈ってます。
ストーリー
舞台は前作から3年後。広島の裏社会を収めていた伝説の刑事・大上亡き後、その遺志を受け継いだ若き刑事・日岡秀一。権力を用い、暴力組織を取り仕切っていた日岡だったが、出所してきたたった一人の“悪魔”によって事態は急転していく・・・。原作シリーズでは描かれていない、完全オリジナルストーリーとして誕生!
(c)2021「孤狼の血 LEVEL2」製作委員会