今月1日、中国政府は「検疫で何度も有害生物を検出したため」として、台湾からのパイナップルの輸入を禁止した。蔡英文政権に対する、政治的な揺さぶりの意味もあるとみられている。
去年の台湾のパイナップルの輸出は9割以上が中国向けで、大打撃を受けることになる。蔡総統はパイナップル産地を訪れ、「中国側の不合理な措置で農家に損はさせない」と生産者にエールを送った。
「私たちの国は困難にあっても、色々な挑戦はあると思いますが、台湾人が一致団結すれば世界の人も台湾人をサポートします」(蔡総統)
台湾政府は、国内でのパイナップル消費拡大政策として、学校給食での使用やウェブ販売の送料補助などを検討。生産農家支援の動きは国民の間にも広がっている。
台湾で人気のYouTuber「チン・シカン」さんは、日本円で約200万円分のパイナップルを購入したことを自身のFacebookで表明。このように、様々な有名人による台湾産パイナップルのアピール活動が広がっている。
さらに、パイナップルの名産地として知られる台湾・高雄市のかき氷店「春日氷亭」では、かき氷1つの売り上げに対し台湾元10元を寄付すると表明。春田氷亭の担当者は、「中国側の措置に対して農家に損はさせたくないから、小さい店だけど、10元の寄付で『農家を支援したい』という思いが伝えられればうれしい」と話す。
また、赤字にならないかを聞くと、「ならないです。みなさんがキャンペーンを応援してくれて、パイナップルかき氷の売り上げが一番になっています」と明かした。
台湾政府は輸出の強化も進めている。台湾・農業委員会は、今年の日本向けのパイナップルの輸出が約5000トンと、過去最高になる見通しであることを明らかにした。
政府・国民が総力を挙げ、ピンチをチャンスに変えようとしている台湾。蔡総統は3日夜、自身のTwitterで、日本人に向けたメッセージを日本語で送った。
「台湾産パイナップルを応援してくださる日本の皆さん、ありがとうございます!台湾にいらしたら必ずと言っていいほどパイナップルケーキを購入されるでしょうが、台湾産パイナップルはフルーツとしてそのまま食べるのも最高なんですよ!ぜひ食べてみてください!」
■Pick Up
・「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
・ネットニュース界で話題「ABEMA NEWSチャンネル」番組制作の裏側