“初ツイート”競売 2億円超えの価値はどこから? デジタル資産「来歴」と「証明」
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 アメリカTwitter社でCEOを務めるジャック・ドーシー氏は3月5日(現地時間)、自身が投稿した”最初のツイート”の「NFT」を競売サイトに出品した。「NFT(Non-Fungible Token)」とは、デジタルデータが“オリジナルである”と示された証明書だ。デジタルデータに紐付けて作成し、販売、購入者は転売することもできる。

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 今回出品されたのは、ドーシー氏自身が2006年3月に行った「just setting up my twttr(いま 自分のTwitterを設定中)」のツイート。競売サイトでは、8日時点で約250万ドル、日本円で約2億7100万円の買値がつき、話題を集めている。

 このニュースに、自身も個人的に同分野のスタートアップに投資しているニュース解説YouTuber・石田健氏は「未来がデジタル資産に向かっているのは間違いない。NFTについても妥当な流れだろう」と話す。

「例えば、モナ・リザの絵は非常に価値があるものとされているが、美術館に行って絵を写真に撮っても、この写真にはあまり価値がない。なぜ絵に価値があって、写真に価値がないのか。モナ・リザの絵は世界に一枚しかないからだ。一方、写真は複製できて、何枚でも撮れてしまう。だが、特定のデジタルデータが『世界に1つしかない』と証明できれば、とても価値がつくのではないか。これが基本的な考え方」(以下、石田健氏)

“初ツイート”競売 2億円超えの価値はどこから? デジタル資産「来歴」と「証明」
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 しかし、ツイートは絵や彫刻のような芸術作品ではない。なぜ、ツイートに2億円を超える高値がついたのだろうか。

「アートでもピカソの絵を見て『ごちゃごちゃしたものに絵の具が塗ってある』と思う人は多いはず。ではなぜ、価値があるのか。それはピカソが描いたものだとみんながわかっているから。誰が描いて、どのように取り引きされてきたかに価値がある。デジタルにおいてもジャック・ドーシー氏のツイートであると証明されて、それが2億円で取り引きされている来歴も証明できれば、価値があるのではないか。非常に面白い取り組みだ」

 証明書が示す“信用”と、来歴の情報に価値があると語る石田氏。「お金には(信用からくる)価値があるが、過去に誰が使っていたかは関係ない」とした上で「絵など、物の場合は違う。(それ自体に信用がなくても)誰が使っていた、誰が使っていた、誰が売買していたかに情報の価値がつく。だから、インターネットやデジタルがやっているような、情報の移動とすごく相性がいい」と語る。

「物の大量消費・大量生産が終わって、新しい資本主義の流れが来ていると言われるが、人間の欲望に際限はない。みんながハイブランドを持っているような時代が来ると『これ(みんなと同じもの)を持っていても価値がないよね』と思い出す。すると、次は『この世に今これしかない』にどんどん価値が集まって、希少性に価値が移っていく。今回のツイートだけでなく、今後もデジタル上の写真やアート作品にも価値がついてくるだろう」

ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

【映像】Twitter社CEOの“初投稿”に2億円超
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