BACKSTAGE TALK #19 DUSTY HUSKY

AbemaMix出演の合間に、HIPHOPライター 渡辺志保 氏がアーティストにインタビューを実施!
ココでしか聞けないBACKSTAGE TALKをお届けします!

タイ移住を経てブレないスタイルを追求するDUSTY HUSKY「絶対に、過去の作品よりも今の自分のラップの方がかっこいい。それは分かってるんで」『股旅』制作秘話に迫る
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ー昨年末に、ソロとしては3rdアルバムとなる『股旅』が発表されましたけど、それまで、タイのバンコクを拠点にしてらしたんですよね?

DUSTY HUSKY:そうなんです。バンコクは前から何度か行き来していて、2ndアルバムのリリース後に移住したんです。タイは最高ですよ。飯がうまくて、ずっといれちゃうんですよね。

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ー現地では、レコードのディガーとして生活していらっしゃった…?

DUSTY HUSKY:タイは結構レコ屋があって、タイのディガーもいますし、日本人や世界中のディガーがいます。タイにいる間、オランダでレコードのコンベンションがあって、先輩と一緒に出品しに行ったんです。その時に、オランダやベルギー、ドイツなどヨーロッパを廻り今作に収録した『KASHMIR』が出来て映像を現地で撮りました。

ー例えば、機材一式を持っていって、現地でビートを作ることなどもありましたか?

DUSTY HUSKY:いや、ちっちゃいレコードのポータブル(・プレイヤー)を持っていって、ひたすらレコードを聴いていました。ただ、パソコンは持っていっていたので、飛んできたビートで(リリックを)書いて、ということの繰り返し。いやあ、最高だったっす。

ーちなみにタイのヒップホップ・シーンはどんな感じですか?クラブや音楽シーンがすごく盛り上がっているという話をよく耳にします。

DUSTY HUSKY:タイのシーンはすごく盛り上がってますよ。クラブもそうだし、アンダーグラウンドのシーンも広がってきています。特にヒップホップが流行っていて、最新の楽曲から入った子も、様々な音を知って、自分たちのようなサウンドに辿り着いてくれる子もいるくらいです。

ーアルバムの制作も、バンコクで行った部分が大きいですか?

DUSTY HUSKY:リリックの面ではほとんどが東南アジアで書きました、去年の5月に帰国して、レコーディングやミックス、アルバムの仕上げの作業に入りました。コロナの影響もあって、飛行機も3回くらいキャンセルを食らってしまって、今もチケット代の15万円くらいが返ってきてないままなんですよ。

本当は、タイの家もあと一年くらい借りようと思ってたんですけど、もう引き払って日本に帰ってきちゃいましたね。

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ーちなみに、タイにいる間、学んだことやインスパイアされたことはありますか?

DUSTY HUSKY:人に期待しない事、他人に寛容でいることですかね。向こうにはそういう雰囲気があるし、日本よりもおおらかで、「いつまでもカリカリしててもしょうがないぞ」って感じなんです。

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ータイトル通り、「旅」を経て完成した『股旅』ですけど、全体を通してこれまでよりもグッと重厚なサウンドになっているなと感じました。今回、新たにチャレンジしたことや心がけていたことなどはありますか?

DUSTY HUSKY:レコードだからの良さ、レアグルーヴっぽさを出したことかなあ。

ーまさに、ジャケットのインパクトそのままですよね。ちょっとサイケな感じがあって、左側にはちゃんとご丁寧にオビまで組み込まれていて。

DUSTY HUSKY:ジャケット・デザインは仲間に頼んだんですけど、JUNYA FIRE宅のトイレに貼ってあったジュリー(※沢田研二)のポスターから影響を受けました。

ー当初、ピクチャー・ヴァイナルのLPが先行発売されて、そのあと配信も解禁されるという流れでしたが、これはもともと意図していたものですか?

DUSTY HUSKY:はい。D.I.T.C.クルーのダイヤモンド・Dも、3rdアルバムをアナログだけで出していたんですよ。それが内容込みで渋いなとずっと思っていて、自分も3rdの時はこうしたい、と決めていたんです。

今回、ピクチャー・ヴァイナルを作ったのは初めてだったんですけど、届いた時は感動しました、発色がいいなって。音圧はちょっと低いかなと思ったんですけど、ミキサーで調整できる範囲なので問題ないです。

ーMV「ザ・シーズン」の感じが、このアルバムを象徴しているのかなとも思いました。バンコクの自由な雰囲気を感じ取ることができて。楽曲のプロデュースは、OGRE WAVEさんですよね。

DUSTY HUSKY:OGRE WAVEは会ってすぐににビートを飛ばしてくれて。たまたまなんですけど、彼もタイにいたことがあったみたいで。このビートはタイのCDを使って作っているみたいなんです。最初に聴いた時、上ネタがタイの音楽だって分からなかったんだけど。

このビートをもらった時、俺はタイにいて、朝飯食って散歩してる間にバースがサクッと降りて来ました。そういった経緯も含めて「めっちゃいいな」と思って、この曲を制作していったんです。

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ー『股旅』のビート選びはどのように進めていったんですか?

DUSTY HUSKY:そもそも、<股旅>ってDJ/ビートメイカーのSHOKI とにっちょめ、あとは自分の三人で作ったクルーでもあるんです。レーベルとして、いろんな国や地域、例えばタイやソビエト縛りの音源でミックス作品を作ってリリースしていた仲間でもある。

今回も、そいつらが持ってきたブレイクを自分が選んで作った曲もありますし、自分が堀ったレコードを使ってビートを作っていった曲もあります。

ー聴けば聴くほど、Dusty Huskyさんのブレなさを感じました。己のスタイルを追求してくのみ、というか。

DUSTY HUSKY:絶対に、過去の自分の作品よりも今の、もしくはこれからの自分のラップの方がかっこいい。それは、自分で分かってるんで。それをやっていれば間違い無いかなって思っています。

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ーDinary Delta Forceも、昨年でデビュー10年目を迎えていますよね。今後の活動で、すでに動き出しているものなどはありますか?

DUSTY HUSKY:2MCのユニット、BLAHRMYもぼちぼちアルバムを出します、彼らも一緒に、6人体制で作ってるっすね。一枚の作品を出すというよりかは、面白い仕掛けを考えていて。作品を重ねていって、来年くらいまで見据えているプロジェクトにしようかなと思っています。

DJ BUNTA:今年は色々やりたいと思っていて、計画もたくさんあるんです。

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ー名MC揃い踏みのプロジェクトになりそうですね。Dinary Delta ForceもBLAHRMYも、とことんブレないサウンドを提示しつづづけていますよね。モチベーションが途切れることはない?

DUSTY HUSKY:みんながいるからですかね。クルーがいる限りは絶対に、どうなっても大丈夫だって思っています。

DJ BUNTA:あとは単純に、楽しいからですよね。

ーDusty Huskyさんソロとしてのネクスト・ムーヴは決まっていますか?

DUSTY HUSKY:まだまだ股旅道中ですが、またヒップホップを、バッチバチで100%のものを作りたいなって思いますね。今回のアルバムにも参加しているGQ、あいつとアルバムを一枚作りたいなって。

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DUSTY HUSKY『AbemaMix』SP LIVE SET
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