「私が妊娠中に(生まれてくる子に)警護が与えられない、称号が与えられない、そして彼が生まれたときに肌の色がどれだけ濃いかへの懸念の話がありました」(メーガン妃)
7日、アメリカCBSでヘンリー王子とメーガン妃のインタビュー番組が放送された。番組では夫妻が王室で経験した差別的な扱いを告白し、1700万人以上が視聴したと報道されている。また、8日夜にはイギリス国内でも放送され、波紋が広がり続けている。
イギリスではヘンリー王子夫妻の“天敵”とも言えるタブロイド紙を中心に、二人の話題でもちきりだ。大衆紙・サンは見出しに「メーガン妃が王室をこきおろした」と載せ、夫妻の発言を「前例のない攻撃」として批判している。
一方、夫妻の発言について、エリザベス女王は声明を発表。「この数年がヘンリーとメーガンにとってどれほど苦難なものであったかを知り、家族全員が悲しみに暮れています」と述べた上で「あげられた問題、特に人種の問題に関しては気になるところです」「記憶とは異なる部分もありますが、このことは真剣に受け止め、家族内で対処します」とした。そして、最後に「ヘンリー、メーガン、アーチーはいつまでも愛される家族の一員です」とつづっている。
■ニューズウィーク日本版編集長・長岡義博氏 背景にある「イギリス王室の構造的な問題」
「ABEMAヒルズ」に出演したニューズウィーク日本版編集長の長岡義博氏は「イギリス王室側の意見も聞く必要がある」と話す。
「実際にいじめ、差別があったのなら許されないこと。一方で、イギリス王室側の意見も聞く必要がある。エリザベス女王の声明にあった『記憶とは異なる部分もありますが』の言葉が示唆的だと思う」(以下、長岡義博氏)
ヘンリー王子夫妻がインタビューで明らかにした事実に、声明で「記憶とは異なる部分もありますが」と述べたエリザベス女王。明言はしていないが、ヘンリー夫妻の発言に何か思うところがあるのかもしれない。
「日本の皇室と同じように、イギリスも国民一人ひとりに理想の“王室像”があって、それに応えるために王室メンバーは最大公約数を探っていかないといけない。エリザベス女王はそれをよくわかっていて、絶対にその(最大公約数の)枠からはみ出さない。それが自分の仕事だと理解している。一方、王室の外から来た人は、それが窮屈で制約的に思えてしまう。以前のダイアナ妃も同じ。王室の構造的な問題が背景にある」
多方面に影響を与えているヘンリー王子夫妻の発言。今後、どのような展開になるのか、世界中のメディアが注目している。
(ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)
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