アメリカのカリフォルニア州サンフランシスコの路上で17日、アジア系の女性が見知らぬ男に顔面を殴られる事件があった。
泣き叫び、何かを訴える女性。女性によると、突然見知らぬ白人の男に顔を殴られたという。左目からは血が出ている。
被害者の娘は「母はとても怖がっていて、トラウマがあり、左目からまだ血が出ています」と話す。被害に遭った女性は左目が見えず、トラウマによって食事をすることもできないという。
女性は殴られた後、そばに落ちていた木片で反撃。男は担架に乗せられて病院に送られた後、拘束された。地元警察は、男が事件当日に別の83歳のアジア系女性を襲った疑いもあるとみて捜査している。
アジア系への襲撃といえば、ジョージア州のマッサージ店で韓国系の女性ら8人が殺害された事件が起きたばかり。逮捕された白人の男は人種的な動機を否定しているが、一部の韓国メディアは17日、生存者の女性の証言として、男が当時「すべてのアジア人を殺すつもりだ」と叫んでいたと伝えた。
バイデン大統領は、アジア系住民への憎悪犯罪(ヘイトクライム)について強い懸念を示している。
「(容疑者の)動機がなんであれ、アジア系アメリカ人が非常に心配していることを理解している。私はここ数か月、アジア系アメリカ人に対する暴力ついて触れてきたが、非常に大きな問題だと思う」(バイデン大統領)
ニューヨークの日本総領事館では、アジア人に対する嫌がらせなどについて、下記の注意を呼び掛けている。
「今般、在留邦人の方より、路上を歩行中、走行中の車両から男性にタバコの空き箱を投げられ『ニーハオ、ニーハオマー』と声をかけられて嫌がらせを受けたとの報告がありました。長引くコロナ禍においては日常生活等に対する不満が増大しやすく、ヘイトクライムの増加や凶悪化が懸念されています。今後も、根拠のない情報に基づいた個人的偏見によるヘイトクライムやハラスメントがアジア系の人々の外見的特徴に向けられる可能性があり、注意が必要です」(ニューヨークの日本総領事館の公式Webサイトより)
相次ぐアジア系へのヘイトクライム。今ネット上では、アメリカで活躍するアジア系の著名人を中心に、「#StopAsianHate」のハッシュタグと共に、暴力や差別に対する抗議の輪が広がっている。また、アメリカのタイム誌はアジア系の女性を表紙に掲載し、アメリカが今直面している現状を訴えている。この表紙では、暴力や嫌がらせに対し『私たちは沈黙しない』と怒りの声が表現されているという。
タイム誌は18日、ジョージア州でアジア系の女性ら8人が銃で殺害された事件を非難し、「アジア系アメリカ人は、かつてないほど人種差別的な暴力に直面している」とアジア系女性への支援を呼びかけた。記事では、アメリカの歴史においてアジア系女性に対する人種差別と女性差別が深く絡み合っているとして「事件は最も残忍な方法で、これが現実となった」と指摘している。
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