先日、有名人が運営するオンラインサロン内で“ある騒動”が話題になった。

「映画のチケットをグッズと一緒に転売してもいい」

【映像】田端大学、カンニング竹山、カズレーザーも…有名オンラインサロンの月額費と会員規模(12分ごろ~)

 映画はオンラインサロンのオーナーが作ったもの。大量にチケットを購入したがほとんど売れず、自分で何回も映画を見る羽目になった入会者もいた。

 ネット上では「チケット売るのにこんなやり方してたの!?」「信者に買わせてサロンオーナーは損しないやり方」「映画面白そうって思っていたけど見る気失せた…」などの声が寄せられ、売り方に批判が相次いだ。

 とはいえ、コロナ禍を逆手に、オンラインサロンの人気は急上昇している。オンラインサロンを運営する大手2社の会員数はここ1年で急激に増加。2020年の国内市場規模は約86億円にも及ぶ。

 「ABEMA Prime」では、オンラインサロンの効果的な付き合い方と急増するトラブルの回避方法について議論した。

 過去におよそ20個のオンラインサロンに入会した経験があり、サロン運営にも携わったことがある編集者の澤山大輔氏はメリットとして「低価格で最先端の人の話が聞ける」と話す。

「普段会えないようなビジネスの最前線の人たちからお話を聞けたり、質問ができたりする。僕にとってのオンラインサロンの良さは、低価格でその分野の最先端の人に話が聞けること、質問ができることが大きい。クローズドの場なので『ここだけの話』『外には出さないでくれ』と前置きがある話も聞ける。モチベーションが高い人たちも多く、場合によっては仕事に繋がることもある。同じサロンに入ってお金を投資しているので、お互いの信頼感が普通よりちょっと上がるような感じだ」

■「悪が滅びる」と言われ…被害者の後悔 オンラインサロン詐欺の手口

 盛り上がる“オンラインサロンブーム”の裏で、サロンを通じたマルチ商法勧誘や詐欺被害の相談も相次いでいる。国民生活センター・相談情報部の神辺寛之氏は「寄せられた相談の中に『オンラインサロンの事業に出資をすれば配当がもらえる』と知人に誘われて契約したケースがあった」と明かす。

 相談者は知人の誘いで500万円ほど出資したが、その後「事業が厳しくなった」といわれ、配当は一切なかった。

 番組でも、実際にオンラインサロンを通じて被害に遭った女性を取材。山田さん(仮名・40代)は、信頼する複数の友人に勧められ、とあるサロンに入会した。

「見抜けなかった。本当にアホだったなと自分も思うし、悔しい。まんまとハマってしまって。(オーナーが)地球上の善と悪が戦っていて、悪が滅びると言い始めた。そうなったとき、今の金融のシステムが全部壊されて、順番に貨幣価値が変わっていくと言っていた。3000倍から4000倍の価値になると言って、外貨購入を勧めてきた」

 入会後、サロンのオーナーから外貨を購入するよう誘導された山田さん。怪しいとは思わなかったのだろうか。

「そこのサロンの主催が有名な方だったので、嘘をつくメリットがないだろうと思った。会員同士のやりとりがかなり激しくて『こんなにみんな買ってるの?』って感じだった。最初は『1万円くらいだったら買ってもいいかな』と思った。それがきっかけ」

 会員同士のやりとりを見て『1万円だけならいいかな』と、山田さんは勧められた外貨を購入。それが“悪夢の始まり”だった。

「今すぐ買え!今すぐ買え!みたいな感じでかなり煽ってきて。『じゃあもうちょっと買っておこう』みたいな。気付けば最終的に50万円くらい買っちゃった」

 オーナーから何度も何度も煽られ、最終的に山田さんの代金は50万円に膨れ上がってしまった。しかし、肝心の外貨の価値は「一度も上がらなかった」と明かす。

「それどころか下がる一方。今の価値は半額以下。とんでもないものを買ってしまったなと思った。思考が麻痺していた」

 山田さんは警察に相談したが、訴えるには時間も費用もかかると知り、泣き寝入り状態だという。

 弁護士の松尾裕介氏は「この手のトラブルは後を絶たない」と話す。

「オンラインサロンで月々のお金を払っていると『損をしたくない、利益を得たい』と思って、もっとお金を出してしまう。相手方はそういう心理状態に陥らせることがうまい」

 悪質なオンラインサロンの見分け方について、松尾氏は「最初から儲かる、お金が稼げるなどの誇大広告をしているサロンは、まず危ないと考えた方がいい」とコメント。

「出所がはっきりしていないサロンも多い。名称であったり、住所であったり、ビル名を書いていないとか、電話番号、連絡先など、主催が運営事務局といった形で実態がどうなっているのかわからない。そういうサロンは危ない」

 国民生活センターには、オンラインサロンを通じて「簡単に儲かる副業の情報が手に入ると言われて、20万円の情報商材を買ってしまった」「配当がもらえると誘われてお金を払ったが、返金されない」などの相談が相次いでいる。

 前述の澤山氏は「そもそもそんなうまい話はない。1回だけ、普通の会員は月々980円だが、プレミアム会員のような形で2万9800円というプランがあった。あまりに値段が高いので『なんだこれ』と思って、1回払ってみたが、やはり何もなかった。3万円払ったのに、何もない経験をした」と過去の失敗を告白。

 松尾氏も「やはり儲かるといって、実際に儲けることができるケースはそんなにないのでは」と首をかしげる。

「最初の部分を学べるだけというサロンが比較的多い。副業であったり、投資の入り口の部分を教わる程度。それに対して、高額な情報商材として100万円、200万円といった金額を払わせるケースが多い」

 以前からある古典的な詐欺の手口に見えるが、“入り口”がオンラインサロンに変わってきているのだろうか。

 松尾氏は「詐欺の手口は、時代によってどんどん変わっていく」とした上で「例えば仮想通貨がすごい流行っているから、仮想通貨詐欺も流行する。同じようにオンラインサロンは流行しているから、それを狙った良からぬ者たちが、何かしてやろうと動いている」と説明。「まずオンラインサロンに安いお金で入会をさせる。後々になって高額なバックエンド、本命の商品が高額な情報商材といった形で控えているケースが多い」と指摘した。

「トラブルは実際増えていると思う。『なかなか退会できない』といった相談やセクハラ、パワハラといった会員間のトラブルも増えていると聞いている。しっかりしたオンラインサロンは、禁止行為を決めるなど規約の部分を作り込んでいる。サロン内で詐欺やセクハラが横行しないよう、きちんと運営されているようなオンラインサロンもある」

 ネット掲示板『2ちゃんねる』創設者のひろゆき氏は「月額以上のお金を取るサロンは詐欺と思っていい」と話す。

「月額いくらと書いてあるので、それ以上のお金を取るところは基本全て詐欺だと考えていいのではないか。プラスアルファでお金を取ろうとしているところは、詐欺の確率が高い。その見分け方が簡単だと思う」

 また、オンラインサロンにはクーリングオフ制度が効かないケースも多い。松尾氏は「クーリングオフは、一定期間であれば無条件で解約できる制度。しかし、オンラインサロンは通信販売に該当し、オンラインサロンに入るか否かをじっくり考えることができる。よって、クーリングオフは原則認められない」と説明。

「オンラインサロンでクーリングオフ制度が適用されるのは“不意打ち”で契約したケース。喫茶店で契約をしたり、電話の勧誘を受けてそのままオンラインサロンに入って支払いをしたりなど、例外として適用されることはある」

 被害に遭った場合は、消費者ホットライン(電話番号「188」)にかけると、地方公共団体が設置している身近な消費生活相談窓口に案内してくれる。「もしかしてオンラインサロン詐欺かも?」と思ったら、活用できるサービスだ。

 長引くコロナ禍で、盛り上がるオンラインサロン。詐欺被害などに遭わないためには、そのサロンが健全かどうか、見極める目を持ちたい。

(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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