月刊「ガンガンJOKER」(スクウェア・エニックス刊)で連載中の漫画「賭ケグルイ」の人気キャラクター・早乙女芽亜里を主人公にした「賭ケグルイ双(ツイン)」の実写ドラマ化が決定。3月26日より毎週金曜日に2話ずつAmazon Prime Videoにて全8話が独占配信される。
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乃木坂46の生田絵梨花は生徒会役員・美化委員長で相手の心理を読み取るギャンブルの名手でもある三春滝咲良(みはるたき・さくら)役を演じる。ギャンブルの経験がない生田だが、撮影を通じ“ギャンブルと人生は近いものがある”と感じたという。
あさひなぐ一堂寧々が「大人になった感じ」
ーー撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?
生田:現場に入る前は「賭ケグルイ」の世界感的に“殺伐としてそう”と思っていました。英(勉)監督も煽ってくるタイプの方なので、『乗り遅れないようにね』なんてプレッシャーを掛けられたんですが、意外と和やかな現場でした。共演者がみんなマイペースで、でも私はそういう人がすごく好きなので、楽しめました。
ただ私は寡黙な三春滝役なので、現場では素を見せないようにあんまり話さないようにしておこうと思ってたんです。でも気づいたら周りから突っ込まれるようになっていました。とはいえ撮影中は緊迫感もあったので、そういう意味ではみんなのスイッチが入った時とオフの時の緩急が面白かったです。
ーー連続ドラマは久しぶりのご出演です。その間、数多くのミュージカルの舞台を経験されていますが、それを踏まえ、ドラマとミュージカルで演じる事の違いはどんなところですか?
生田:舞台の表現というのは体全体で見せなくてはいけないので、“体を動かす”ことに意識が働きます。「賭ケグルイ」も個性が強い作品で躍動感はあるんですけど、三春滝に関してはキャラクターの性格上、動じない感を出さなくちゃいけない。その分目の動かし方だったり、ちょっとした顔の角度を意識したのは、切り取られてしまう映像の現場ならではだなと思います。
三春滝咲良役を演じる生田絵梨花。(c)河本ほむら・尚村透/SQUARE ENIX (c)2021 ドラマ「賭ケグルイ双」製作委員会
ーー英監督とは映画「あさひなぐ」以来の現場です。今回の三春滝はどこか一堂寧々に近しい印象を受けました。
生田:英さんも「寧々が大人になった感じだね」と仰ってました。でも寧々の時は本当に時間がなくて、3日間くらいしか撮影に参加出来なかったんです。今回はそれよりもディレクションを受けることが出来ました。でも英さん、やっぱり煽りとか無茶振りが多いんですよ(笑)。
今回のオープニング映像のためにアクションシーンを撮影したんですけど、「『あさひなぐ』の時に、薙刀をやったからいけるだろ?」と言われて。“全然違うし!”と心の中で思いながら私も「出来ます」と返して、それからめちゃくちゃ練習しましたね。
先輩の松村沙友理から「安心して大丈夫だよ~」
ーードラマ「賭ケグルイ」season2から夢見弖ユメミ役として松村沙友理さんが参加しています。現場の先輩から何かアドバイスはありましたか?
生田:現場入りする前は不安だったので、どういう雰囲気なのか連絡して聞きました。でも、既にその中で戦っている先輩の松村から「安心して大丈夫だよ~」と言ってもらえたので、良い意味で力を抜いて現場に入る事が出来ました。
ーーたくさんのキャリアを積まれていますが、新しい現場は今でも緊張するもの?
生田:私、すごく緊張しいなんです。でも隠すのは上手いんです。だからあんまりバレることはないんですけど、中身はガクガク、ブルブル震えていることはよくありますね。
現場に入る時は不安なので、いつも出来る限り準備をしているつもりです。言い換えると、不安を取り除く作業というか。
ーー今回は坂道シリーズの後輩、日向坂46の佐々木美玲さんと共演です。日向坂46はどういう印象ですか?
生田:パッと人の懐に入るのが上手ですよね。すごく親しみを感じるグループだと思うし、現場で挨拶した時も彼女(佐々木美玲)はすごく堂々としていて、私の方がドギマギしちゃう感じでした(笑)。
それと「日向坂で会いましょう」(テレビ東京)のアンガールズ田中卓志さんドッキリ企画の回が本当に面白くて、見ていて元気をもらいました。“ありがとう”と心の中で感謝しましたね。
ーー早乙女芽亜里役として主演を務めた森川葵さんの印象は?
生田:葵ちゃんは本当に芽亜里に対しての愛情が深いと感じました。現場では“芽亜里だったらこうするのでは”と自分からアイデアを出しつつ、英さんと話し合って動きを決めていたり、芽亜里の事を1番理解しながら、それを体現している人だと思いましたね。芽亜里って"おい、おい”と思うことをしちゃう子だけど、憎めないし、逆にチャーミングに見せちゃうというのは、葵ちゃんの演技に対する姿勢のおかげだなと身近にいて思いました。
人生もギャンブルなのかなって
ーーギャンブルがテーマの作品ですが、生田さんはギャンブルの経験は?
生田:全然ないです。多分向いてないですね。
ギャンブルじゃないけど、2歳上の姉がゲームオタクだったんです。姉は頭が良くて、頭が良い人って攻略することに喜びを覚えるじゃないですか。今は麻雀にもハマっているんですけど、当時ゲームをやりすぎて、勉強しなくなって生田家がゲーム禁止になっちゃったんです。私はその被害を被って、ゲームが出来なかったから、ゲームの才能とか攻略する能力が育ってないんです。
ーー劇中の「それがギャンブル。リスクに怯えていたら一生勝てない」という、どこか人生にも置き換えられそうなセリフが印象的でしたが、生田さんは今回の作品を通じて何を感じましたか?
生田:現場で英さんに「よくある学園ドラマだったら学校を出たら家族があるし、未来があるし、学校だけが全てではない。けど、この『賭ケグルイ』においては、この学園が人生の全てだと捉えて演じてください」と言われて、それが印象に残っています。その時にこのドラマほど激しくはないけど、人生もギャンブルなのかなって。
お金を掛けなくても人生にはたくさんの選択肢があって、選んだその先に何が待っているかなんて誰にもわからないじゃないですか。目的やスケールは違えども、ギャンブルと人生はどこか通じるものがあるなと思って、そこはしっかりと共感しながら演じられました。
ーー芸能活動もある種のギャンブルというか、無数のグループが凌ぎを削る女性アイドルの中で頭一つ抜け出す為には結果を求められる機会もあったと思います。
生田:そうですね。それと1回勝っただけではダメですよね。1回勝ったとしても、ずっと勝ち続けなくてはいけない大変さもある。そういうプレッシャーを感じることはあります。
ーー今後演じてみたい役柄は?
生田:癖が強い役を演じてみたいです。というのも「賭ケグルイ」の出演が決まった時に“強烈な役をやれる!”と思っていたら、意外にもクールな役だったので(笑)。例えば松村演じるユメミちゃんのようなぶりっ子だけど実は裏の顔もある、ギャップのあるぶっ飛んだキャラクターをいつか演じてみたいですね。
テキスト:中山洋平
撮影:藤木裕之
ヘアメイク:スズキユウジ
スタイリスト:鬼束香奈子
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・ジュエリー
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