北朝鮮が今月21日、巡航ミサイルとみられる2発を発射した。韓国軍国防省の関係者が明らかにした。
関係者の話によると、北朝鮮は21日朝、平安南道・温泉近くから西の海上へ短距離ミサイル2発を発射。18日まで実施されていた米韓合同軍事演習とアメリカのブリンケン国務長官が行った日韓訪問への反発だと見られている。アメリカのバイデン大統領は「北朝鮮は大して変わっていないことがわかった」とコメントし、「通常の軍事的活動の一つだ」として特に問題視しない姿勢だ。
しかし、防衛省の関係者は25日、朝7時すぎと7時半前の2回にわたって北朝鮮の東側から「弾道ミサイルの可能性があるもの」が発射されたと発表。日本の領域には飛来せず、排他的経済水域の外側に落下した。
油断の許さない状況が続く北朝鮮の軍事行動。21日のミサイルについて、韓国軍国防省の関係者は「韓国軍はリアルタイムで動きを捕捉していた」としているが、なぜこのタイミングで発射の事実を伝えてきたのだろうか。北朝鮮のミサイル発射のきっかけについて、ニューズウィーク日本版編集長の長岡義博氏は「明らかに米韓合同軍事演習と、ブリンケン国務長官の日韓訪問への反応だ」と話す。その上で、探知しにくいと言われている北朝鮮の短距離ミサイルに言及。
「韓国軍側がリアルタイムで把握していたなら、なぜすぐ発表しなかったのか、かなり疑問だ。もし探知できなかったのであれば、それはそれで大きな問題。北朝鮮ミサイルが高性能化して探知できない可能性もある。短距離で探知されにくい技術が中距離にも使われるのであれば、日本のミサイル防衛にとっても深刻な問題だ」
日本政府関係者によると、来週にも日米韓の安全保障担当者による協議が非公式で行われる予定だという。日本からは北村国家安全保障局長、アメリカからはサリバン大統領補佐官、韓国からは徐薫(ソ・フン)国家安保室長が出席する予定だ。
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