自分の状況や、その日の出来事をつぶやく“一言日記帳”として広まったTwitter。今では、議論やマーケティングなど、さまざまな用途で利用されている。しかし、そんな枠にとらわれない、Twitterの特徴を表す出来事が起こった。まさかのTwitterを通じて“新種のダニ”が発見されたのだ。

【映像】発見された“新種のダニ”(拡大図あり)

Twitterのやり取りだけで“新種発見”「電話番号を聞くのもはばかられた…」 学名にも“Twitter”の単語
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 今回、奇跡的な発見に至った法政大学の島野智之教授は「決定的に気付いたのは、2019年の5月6日の画像だ。動画を見て確信に変わった」と話す。島野教授が発見したのは、ササラダニ類の新種のダニ。写真を撮影しTwitterに投稿したのは、アマチュアカメラマンの会社員で釣りに訪れた銚子の港で撮影したものだった。投稿を見つけた島野教授は撮影者に連絡を取り、すぐさま撮影現場へと向かった。

「僕は(撮影者と)全然知り合いじゃなかった。この人の性別さえも分からなかった。話していると、だんだん『男性なのかな』と分かってきたが、電話番号を聞くのもはばかられたので『その日空いていますか?』と聞いて、お昼休みのときにTwitterのメッセージ機能で『どの辺ですか?』『この辺です』と教えてもらった。彼もあまり記憶が定かではなく『とにかくその場所を教えてください』と言って、この矢印が付いている一個の車止めを見つけるのに苦労した。すべてTwitterのメッセージ機能でやった」

Twitterのやり取りだけで“新種発見”「電話番号を聞くのもはばかられた…」 学名にも“Twitter”の単語
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 Twitterで気づき、Twitterで連絡を取り、進められた調査。撮影者自身、元々ダニ類は好きだったものの「他のササラダニとの違いが分からず、島野先生はどこを見て判断したんだろう?」と疑問に思ったという。島野教授は、写真と動画のどこを見て新種だと気づいたのか。

「見た瞬間。0.5ミリのダニだが、僕たちダニ研究者からしてみると、大きい生き物に見えている。昆虫のクワガタムシと同じくらいに見えているので、その形のいろいろな各部が見える。(新種のダニは)他の種類とまったく違った」

Twitterのやり取りだけで“新種発見”「電話番号を聞くのもはばかられた…」 学名にも“Twitter”の単語
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 専門家だからこそ気づいた違い。Twitterがきっかけで見つかった新種は「アメロノトゥルスツイッター(Ameronothrus twitter)」という学名が付けられた。今後、市民と科学の連携が加速する可能性について、島野教授は「どんどんアマチュアの方と手を取り合って、一緒に生き物を保全していきたい」としている。

「いろいろな生き物がまだ残っている。壊していい自然はない。絶滅していい生き物もいないはずだ。生き物全体を、生態系を守っていくために、新しい発見を市民の方々と一緒にしていきたい」

ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

【映像】投稿から新種発見 学名にも“Twitter”?
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