今後の将棋界を担う、最強の18歳コンビが誕生した。プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」の大会に先立ち行われたドラフト会議の模様が3月27日に放送された。今大会から、初めてリーダー棋士を務める藤井聡太王位・棋聖(18)は、1巡目に同い年の伊藤匠四段(18)を指名。2巡目ではくじを外したものの、高見泰地七段(27)を指名し、最年少チームを結成した。第1回、第2回は個人で、第3回は団体戦で優勝してきた藤井王位・棋聖。4連覇を目指す上で、若さと棋力を兼ね備えたチームを作り上げた。

【動画】大注目のドラフト会議

 「藤井聡太が選ぶ棋士は誰なのか」。今大会が発表された時点で、ドラフト会議最大の目玉となっていたが、最初に書いたのは伊藤四段の名前だった。「世代の近い方から選ぼうと思っていたので、予定どおりでした。奨励会に入る以前では大会などで当たったことはあるんですが、入ってからはあまり接点がなくて。トーナメントでもどんな将棋を見せてくれるのか、楽しみにしています」と、早くも将棋の内容に気持ちを飛ばした。この伊藤四段、昨年の大会で三浦弘行九段(47)のチームの練習パートナーを務め、参加していた3人よりも強かったという話があった。これを藤井王位・棋聖はしっかりとチェック。「フィッシャールールでも強いという評判は聞いていました」と、単にエンタメ性を重視して同い年の棋士を選んだわけではないとも語った。

 奨励会に入る前、小学生大会でぶつかり、その時は伊藤四段に敗れた藤井王位・棋聖。大泣きしたことも有名だが、本人は「あまり覚えていないです(笑)」。逆に、藤井王位・棋聖が、羽生善治九段(50)と初めて公式戦で対戦した、朝日杯将棋オープン戦の準決所うでは、当時奨励会員だった伊藤四段が記録係りを務めていた、という縁もある。今はタイトルホルダーと、プロ入りして間もない四段。立場は大きく異なるが、今後この2人が将棋界をリードする存在として、しのぎを削ることになっても、なんら不思議はない。

 若い2人の間をうまく取り持つのは、2巡目で指名した高見七段の役割だ。「高見七段はいろいろ経験が豊富な方。ABEMAトーナメントでも実績がありますし、自分はあまり気負わずにやりたいと思います」と、リーダーは自分だが、先輩棋士の力も大いに借りる。

 完成した「チーム藤井」は、納得の布陣だ。「当然、優勝を目指せるチームだと思っていますので、目指していきたいです」と、普段は一局一局と慎重な言葉を選ぶが、この時ばかりは自信が溢れた。もしくは、リーダーとして士気を高めるための発言か。数々の先輩に立ち向かっていく天才棋士の姿は、これまでも何度も見せてきた。今度は先頭を切って、仲間を引っ張るリーダーとなった青年棋士の姿を、ファンに見せる時だ。

◆第4回ABEMAトーナメント 前回までは「AbemaTVトーナメント」として開催。第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦になった。チームはドラフト会議により決定。リーダー棋士が2人ずつ順番に指名、重複した場合はくじ引きで決定する。第3回は12チームが参加し永瀬拓矢王座、藤井聡太王位・棋聖、増田康宏六段のチームが優勝、賞金1000万円を獲得した。第4回は全15チームが参加。14チームは前年同様にドラフトで決定。15チーム目はドラフトから漏れた棋士によるトーナメントを開催、上位3人がチームを結成する。対局のルールは持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チーム同士の対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負に変更された。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。

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