“波乱万丈の人生を生きる金の卵たち=DREAMERS”が、LDH martial artsとの契約をつかみ取り、自らの人生を変えるべくABEMALDHが始動させた格闘オーディション番組『格闘DREAMERS』でのサバイバルに挑んでいる。番組のテーマは「拳でつかみたい、夢がある」。とはいえ、厳しい生き残りをかけ、目の前に訪れる数々の試練を乗り越えた先に、思い描いていた夢は果たして存在するのか…。そこで夢を叶えるべく格闘の世界に飛び込む若者が増えるいま、日本の格闘シーンの一線で活躍する選手や関係者に、「格闘技に夢はあるのか?」という共通のテーマをストレートに投げかけるリレー形式のインタビューを実施。第7回目は、長南亮の愛弟子としてONE Championshipで活躍中の若松佑弥。世界を舞台に闘うファイターであり、幼い子を持つ父でもある。気になる彼の答え、胸の内とは――。

― 若松選手から見て、格闘技に夢はあると思いますか。

ありますね、やっぱり一攫千金じゃないですけど、チャンピオンになったらすべて変わると思うんで。強さも何もかも手に入るんじゃないですかね、格闘技を究めたら。

― 格闘技に夢や憧れを抱いたきっかけは?

ちっちゃい時から強さに憧れていて、それを求めて総合格闘技に。ボクシングとかじゃなくて、組み技もあってグローブも薄くて素手に近いですし。“これが最強”なんじゃないかって。

― 憧れた選手はいましたか。

山本“KID”徳郁選手だったり五味隆典選手とか、小学生の時に見てましたね。大人になってからは海外の選手、GSPだったりドス・サントスだったり。長南(亮)代表もそうですし。

― 地元の鹿児島でも格闘技を?

かじる程度ですけど柔術を。恥ずかしいくらい何もできなかったですけど。東京には格闘技をしに。カッコよく言えばですけど(笑)。まあ逃げてきたんですけど、でもやりたかったのは格闘技ですね。

― 鹿児島時代は悪かったという話も聞きました。

不良っていうんじゃないですけど、頭の中が普通じゃなかったですね。ケンカして、いつ捕まってもおかしくないような状況でした。常に何しでかすか分からないっていう。悪いことはしないんですけど、ムカつくヤツは殴るっていう。いま思えば危険なヤツだったなって思います。

― そこから格闘技をやることで変化があった?

格闘技をやることによって「本当に強い人間はこの世界にいるんだ」っていうのが分かってくるんですよ。そうしたら格好だけのヤツはおのずと目に入らなくなってきて。「あれ(ケンカ)が強いってことじゃなかったんだ」って。昔は弱いから見せかけとか勢いだけで強さを求めてましたね。でも考え方によって、格闘技はアスリートが毎日ケンカの練習をしてるわけじゃないですか。そういう人間に勝てるわけがないって。そういう意味で自分にとって天職だったし、変わりましたよね。更生できました。大事なのは見かけじゃなくて中身の強さなんだって気づくことができました。

― 格闘技を始めてみると、子供の頃の夢や憧れとは違う感覚も出てきましたか。

でも結果、純粋な強さを求めてるなって思います。男の子ってそういうとこあるじゃないですか、仮面ライダーとか。ワルいとか関係なく、そういうのを取っ払った純粋な強さを求めることができているなと思います。

― 昔憧れていた強さに近づけていると。

遠回りはしたんですけど、近づけてると思います。不思議なくらい、いい方に行ってるっていうか。

― では現時点での若松選手の夢は?

ONEのチャンピオンになって、立派なお父さんになる。それが自分の夢ですね。強い、一家の大黒柱じゃないですけど。それになれたら他には何もいらないです。(コナー・)マクレガーみたいに、あそこまでお金が欲しいわけでもないし。強くて、誠実で、ちゃんと子供を育てる。そういうことをやっていきたいし、それが一番幸せですね。

― お子さんができて考え方が変化した部分もありますか。

まったく変わりましたね。最初は自分が一番大事で、それから家族が大事になって、今は子供が一番になりました。考え方、価値観、全部変わりました。

― 格闘技をやっていく中でしんどかったのはどんなことですか。

毎日キツいです、それは。でも一番は2連敗した時ですかね。仙三戦で負けた時が一番しんどかった。毎回「次負けたらやめよう」と思うし、特に2連敗した後は「次も勝てなかったら…」ってずっと思いました。逆に、負けることで自分に何が足りなかったのか気づくこともありますけど、やっぱり試合はすべてをかけてやっているので。そこで負けるのはキツいですね。…いや、でも勝ってもキツさは変わらないかもしれないです。やっぱり「次負けたらどうしよう」という恐怖心はあるので。それが現役中になくなるかっていったら、なくならないと思います。自分との闘いですよね。それは普通に生活していたら感じない緊張感です。それが人生なのかもしれないなって。何やってたって「どうしよう」っていう瞬間はあると思うし、そこで逃げたら終わりっていうか、元の自分に戻ってしまう。だから闘い続けるしかないですね。

― 今はキッズ部門から格闘技を始めて、技術的にうまい若い選手も増えています。そんな中で、新しい世代の格闘家の卵たちに贈る言葉はありますか。

自分は最終的にたどり着いたのがMMAで、それまでやってきたことが全部中途半端だったんですよ。これから始める人も、それが本当に自分に合ってるかどうかはまだ分からない。ダメだったらダメで次があるし、しんどい思いをすれば別なことをやっても通用すると思うので。それと技術云々じゃなく、最後はメンタルだと思います。まずは全力でやってほしいですね。

―若松選手にとって、格闘技で夢を追いかける楽しさはどんなところにありますか。

マンガみたいに、自分が主人公だと思えるのが格闘技ですよね。「俺は最強なんだ」っていう、まあ自己満足じゃないですけど(笑)。金持ちになってもケンカでボコボコにされるかもしれない。でも今の自分は格闘家なので、その辺の悪い連中には絶対負けない。真面目に生きてて、しかもめっちゃ強い。『ドラゴンボール』で言ったら悟空、サイヤ人ですよね。そういう自己満(笑)。強くてカッコいいお父さんっていうのが僕の夢ですね。強くなりたいし、一番強いのがチャンピオンだと思うからチャンピオンになりたいです。それでルールがない闘いだったら俺はもっと強いって、そう思ってますね。

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