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 日本語、韓国語、英語を操るトリリンガルラッパー/シンガー、ちゃんみな。4月14日(水)に発売されるシングル「美人」では、現代の“美の概念”に対する彼女なりの疑問や違和感が率直に綴られている。

 これまで「私はただ自分の経験を曲に焼き付けているだけ」と、さまざまなことに “もの申す”ことで、結果多くの人の共感を生み出してきた。新作の背景、そしていまを取り巻く状況についてざっくばらんに話してもらった。

「美しさ」は絶対に共有できないもの

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——今回、タイトルが『美人』というルッキズムに関するテーマなんですが、なぜこのタイミングでのリリースになったんでしょうか。

ちゃんみな:私は小さい頃からバレエやピアノでコンクールに出たりとか、ヒップホップダンスでオーディション受けてきたので、ステージというものがずっと身近にあったんです。そこでは“容姿が美しい人がセンターに立ちがち”な世界で、それに対して特に疑問に思うこともなかったんです。きっかけは、17歳でテレビに出るようになってから。世間の人に知られるようになると、SNSとかYouTubeのコメント欄の半分以上が、「かわいくない」とか私の見た目に対する批判で埋まったんです。

そこから、見た目についてああだこうだ言われることがとてもストレスになって、ステージに立つのも抵抗したくなるぐらい、強いコンプレックスを抱くようになりました。それから、(当時から)16kgくらい痩せて、メイク・服装とかいろいろ変わって。最近になってコメント欄の多くが“称賛”のコメントに変わったんですよ。私的には良いことだったはずなんですが、違和感を感じてしまって。

やっぱり、過去に言われていた見た目に対する攻撃の傷が深いからこそ、当時の感情を「いまさら流すことはできない」ってなるんでしょうね。あと、減量しているときに過度の食事制限をしてしまって、思うように歌声が出せなかったりとか、“美の追求”をすることで大事なことを見逃してしまってることに気づきました。いろんな経験を経たからこそ出来上がった曲です。

——見た目を追求するあまり、健康を損なったり、 間違った情報を選ぶ人も多いですが、その風潮に対してはどう考えていますか。

ちゃんみな:美しさってミリ単位で人それぞれ違うので、絶対に共有できないと思うんです。だから情報に関しては正直「間違ってる」はない。結局、私にとっての「美」というのは、自分がデザインしたいものをしっかりわかっている状態のことだと思います。

たとえば、「私はここのパーツが足りないから美容整形をする」と自分の意思で決断するのであれば全然良いと思うんです。でも、「世間で涙袋が流行っているから」「人中が短いのが流行っているから」と流されて整形してしまうのは全く美しいことではないと思います。自分が好きなものがしっかり分かっている、要するに自分を知ることに目を向けてほしい。

——その「美」に対しての価値観が固まってきたのはいつ頃なんですか。

ちゃんみな:本当に最近です。1年も経ってないんじゃないかな。私も昔、色々やったんですよ。学生の頃は清楚学生!みたいな格好もしたし、黒ギャル、Bガールとかいろいろな系統を経験しました。当時は「今こういうのが流行ってるから」で乗っかっていたんですが、その中で「らしさ」を見つけることができました。

「コロナだからしょうがない」と思われたくない

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——コロナ期間中は、クリエイトすることをあえてやめていたということなのですが、それも意図があってのことですか?

ちゃんみな:これまで「よしスイッチ入れるぞ」で作ったことはなくて、自然と曲や歌詞ができてきたから、このタイミングを利用して休もうかなと。その間は音楽とか映画とかのインプットも一切遮断してました。ただランニングして、ぼーっとして、猫と遊んで、みたいな毎日。

——もともとインドア派なんですよね。そんなに飲みにも行かないし、遊びにもにもいかないという。

ちゃんみな:目的なく出歩くのが嫌いなんですよ。無駄なこともインプットしちゃいそうで。人生普通に生きてても、会わなくていい人に会っちゃうじゃないですか。出会いの分母が大きいと、選別が難しくなってしまうっていうのもあります。1人の散歩とかは好きなんですけどね。

――5月からホールツアーを控えていますが、「1公演2部制」と聞いて、通常公演よりさらにエンタテインメントを発揮できそうだなと思ったのですが。

ちゃんみな: そうなんです。アウェイなこの状況を逆手に取って、1部から2部へとつながる物語を表現しようと思っています。私のライブは、みんな一緒に歌ったりすることが多いので、だからこそ今の状況だからこそできるもの、私は通称「黙って見てろ」と名付けていますが(笑)。「まあコロナだからしょうがない」と思われないような、攻めたステージにします。

——「逆手に取る」って話だったんですけど、逆境に置かれることは、ちゃんみなさんにとってクリエイティブの源泉なっているんじゃないかなと。

ちゃんみな:基本的にはそうだと思います。むしろネガティブな感情が少しもない曲は一曲もないです。本当ならできるだけ味わいたくないですけど、あった方が人生の糧になるし。

——ステージにおいてもなんですが、プレーヤーだけではなく、「プロデューサー」の目線もしっかりとありますよね。それは長期的な未来を見据えていたりするんですか。

ちゃんみな:それはあります。もちろんまだメジャーデビューして4年目で、プレーヤーとしてやるべきことがいっぱいあるし、成功してからじゃないとプロデュース側になっても説得力があまりにもなさすぎる。しっかり実績を残してから回りたいと思います。その理由というのも、自分が作った音楽のベースを若い人たちに渡して、アップデートしてもらいたいから。いつか自分にも納得のいくクオリティで歌えない、踊れない日が来ると思う。

コロナ渦での「必ずやりたいこと」

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——俯瞰して自分を見れていますね。

ちゃんみな:結構ヒマだったんですよ(笑)。

——それはコロナ中の期間が関係していますか?

ちゃんみな:実はこの目標は中学生ぐらいからあったんです。中学生から高校生の内にメジャーデビューして、プレーヤーとしてどのくらいまでやって、何歳までにこういう会社を作ってという目標が。

——仕事の面とは別に、プライベートで最近スタートさせたことってありますか。

ちゃんみな:あ、絵を描き始めました。昨年の半ばぐらいからかな。描きながらテーマ決めてて、人様に見せられるようなものじゃないんですけど、一丁前に画材にはお金かけてます。あとは最近スケボー始めようとか思ってて。

——思った以上にいろいろとはじめてますね(笑)。

ちゃんみな:確かに(笑)。家の近くの公園にスケートパークがあって、やってる人をみて「かっこいいな」と。もともと一枚板のスポーツが苦手で、克服したいなと思っていたので、練習したいと思いました。あと、ずっと続けているのはキックボクシング。初めはダイエットで始めたんですけど、体つきが変わっていくのが楽しくてずっと続けてます。多い時は週4、5で行ってて、何を目指してるのか分からなかった(笑)。

——自分に自信がすごいつきますよね。目線が上向きになるというか。

ちゃんみな:そう。だからやってて面白いんですよね。ジムの人も最初は「あ、ちゃんみなちゃん、おはようございます」とかだったんですけど、最近は「オイッス」。選手じゃないよっていう(笑)。ミットを打ってる時間って、頭真っ白になれるんです。ランニングしているときと近くて、あの無心になれる体験が好きなんです。普段から交感神経優位になりがちなので、それを下げるのにも役立ってますね(笑)。

——はじめたことがフィジカル、メンタルのどちらにもプラスに働いてるってことですね。

ちゃんみな:そうそう。ありがとうございます、とっ散らかったのをまとめてくれて(笑)。

——最後に今年必ずやっておきたいことがあれば教えてください。

ちゃんみな:「基礎を整える」ことですね。バレエとかピアノとか歌う事とか、音楽面に関することすべてを底上げしたい。最近はライブ演出とか、外側に関することばかり考えてたので、また改めて鍛えていきます。

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ドレス 参考商品(PERMINUTE)、シューズ\23,980(YELLO)、その他 全てスタイリスト私物

テキスト:東田俊介

写真:You Ishii

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