知事たちは政府が声を上げるまで“待ち”の状態になっていないか? コロナ対策で橋下氏
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 3日のABEMANewsBAR橋下』に鈴木英敬・三重県知事(46)が出演、橋下徹氏と自治体の新型コロナウイルス対策について議論した。鈴木知事は兵庫県出身で、灘中・灘高から東京大学を経て現在の経済産業省に入省。36歳の若さで県知事に初当選し、現在で3期目だ。

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 鈴木:僕が知事になったのは東日本大震災の1カ月後で、就任から5カ月後には和歌山、奈良、三重で80名を超える方が亡くなった紀伊半島大水害を経験した。そういうこともあって、僕は(1)徹底的な初動、(2)空振りを恐れない、(3)それぞれの現場に任せる、(4)自分たちだけで抱え込まず色んな人に頼りまくる、(5)きめ細やかな情報提供、(6)過去の教訓・経験を活かす、という“危機管理6カ条”を掲げている。

 このうち、徹底的な初動と、空振りを恐れないということで、コロナ対策でも独自の宣言をフル活用してきた。第1波の時は感染者は累計で15人だったが、今や当たり前となっている“エリア”という考えを入れて、緊急事態宣言が出た愛知・岐阜と一緒にやろうということにした。逆に第3波の時には愛知と岐阜は解除していたが、三重は解除せず、もうちょっと感染を抑え込もうということにした。いつも橋下さんが仰っていることだが、本当は宣言発出に自治体がそれぞれの基準、思いでしっかり関われるような制度設計になっているべきだと思う。

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 橋下:政府も分科会も昼夜問わず一生懸命にやってくださっていることには感謝しなければならないが、全国津々浦々の状況を把握するのは不可能だと感じていないのかな、とも思う。結局、地域ごとに見ないと、感染がピンポイントで抑えられない。

 鈴木:典型的なのは病床利用率だ。例えば自宅療養・入院調整中の患者がたくさんいるのに、病床利用率はなんとなく低く見えているところがある。病床は使っていないけれど待ちの人がすごくたくさんいるという意味では、はっきり言えば医療逼迫の状況だと思う。あるいは病床使用率が60%だったとしても、入院期間が長くなりがちな変異株の患者がたくさん入っていれば、医療逼迫になる可能性が高くなる。入院調整中がどれだけいるか、宿泊療養施設、ホテルにどれだけいるかということも含め、そういう細かいところは都道府県知事でなければわからない。

 僕も病床確保を重要視してきたが、そういうところに都道府県知事がもっと関与していけるようにすべきだし、持続化給付金などができる前の去年4月に概算払いで50万円を配ったが、そういう財源を国が早く支援してくれるようになってほしい。

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 橋下:病床使用率はあくまで都道府県単位の平均値で出ているが、病院ごとに見ればそうではない。ある病院は0とか5%とかだけど、ある病院は80、90%になって悲鳴をあげている。でも、そんなの霞が関や政府の人たちにわからない。だからオペレーションをしていくのは状況が分かっている知事じゃないかと訴えてきたんだけど、一点だけ、知事たちの言動に引っかかっていたのは、去年末、全国の知事たちは“社会経済を止めろ”という声を上げなかったこと。それをいうと批判も来るだろうことを予想して、政府が声を上げるまで“待ち”の状態になっていたんじゃないのかな、ということ。

 やっぱり政府に頼ってしまう、昔ながらの国と地方の関係があるのかな、とも感じる。でも、ちゃんと知事たちに権限を与えて責任を負うような形にし、財源のところがセットで来ればいけるとは思うし、いってもらいたい。

 鈴木:年末、三重県庁のコロナ本部ではマスコミも入れたオープンな形で第3波の検証をやった。僕らは年末年始に強い措置を出すのがちょっと遅かったという反省を出した。もっと早くやっていれば第3波がこんなに長引かなかったと。それは反省点だった。(ABEMA/『NewsBAR橋下』より)

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