コロナ禍で苦境に立たされる百貨店。最初の緊急事態宣言が出された2020年4月以降、客足が伸び悩む店舗も多く、2021年1月には二度目の緊急事態宣言が発令。リモートワークの広がりによって減った「仕事帰りの買い物」や訪日客の売上激減など、苦戦を強いられている。
【映像】そごう横浜のメンズ化粧品売り場 クマ隠しのファンデ、コンシーラーも
こうした中、そごう横浜店では男性化粧品の売り上げが前年の約5倍、客数は約7~8倍に増えているという。メンズビューティーは百貨店を救う“起死回生の一手”になるのだろうか。
ファッション雑誌『LARME』編集長の中郡暖菜氏は「男性も女性も美に対する性差はない」と話す。
「Instagramで美容整形のビフォーアフターを載せている男性を見かけるようになった。取材を通じて、美容整形を受けた男性に会ったこともある。今までエステや美容整形は『女性がするもの』という感覚が強かったと思うが、本当に男性客が増えている」(以下、中郡暖菜氏)
化粧品以外の分野でも増えている“メンズビューティー”の市場。YouTubeでも脱毛やメンズ向けメイク・スキンケアの動画を見かけるようになった。
「『男性はこうあるべき』という考え方が昔より薄れてきていると思う。私が編集長として手掛けている『LARME』は女性ファッション誌だけれど、かわいいもの好きで毎月買ってくれる男性もいる。男性でも自分が『かわいい』と思う商品を買いやすくなってきて、多様性の広がりを実感している」
高まりつつあるメンズビューティーの需要。美しさや外見上の悩みは男女共通だ。もはや“美容は女性のもの”という価値観は時代遅れなのかもしれない。


