“波乱万丈の人生を生きる金の卵たち=DREAMERS”が、LDH martial artsとの契約をつかみ取り、自らの人生を変えるべくABEMALDHが始動させた格闘オーディション番組『格闘DREAMERS』でのサバイバルに挑んでいる。番組のテーマは「拳でつかみたい、夢がある」。とはいえ、厳しい生き残りをかけ、目の前に訪れる数々の試練を乗り越えた先に、思い描いていた夢は果たして存在するのか…。そこで夢を叶えるべく格闘の世界に飛び込む若者が増えるいま、日本の格闘シーンの一線で活躍する選手や関係者に、「格闘技に夢はあるのか?」という共通のテーマをストレートに投げかけるリレー形式のインタビューを実施。第10回目は、柔道、柔術からMMAに挑みONE Chanpionshipの上位戦線で活躍する上久保周哉選手。気になる彼の答え、胸の内とは――。

― 上久保選手は、今の格闘技界に夢はあると思いますか?

何をもって夢とするかにもよると思うのですが、正直に言うと、夢の有無で格闘技をやるということでもないのかなって。好きだから格闘技をやってるのであって、スタートが「格闘技やって金持ちになろう」みたいな人はいない気がしますね。「金持ちになりたい」、「チャンピオンになりたい」と言いながら、結局はみんな好きだからやってるんだろうなって。それに夢があったとしても、それは好きじゃないと叶わないから。夢を見させてくれるのが格闘技だとは言えると思います。これだけ没頭させてくれるというか。お金持ちになるとか、そういうのが夢ではない気がします。

― お金持ちになりたい、有名になりたいと思っても、好きじゃないと続かない厳しさがありますか?

好きじゃなかったら途中で絶対やめちゃいますよね。金持ちになりたいんだったら、もっと効率のいい手段があるはずだし(笑)。でも格闘技が続かなかった人は、他の仕事しても成功しない気もしますね。

― 上久保選手にとっての最初の格闘技は柔道でしたが、柔道を始めた頃の夢は何でしたか?

最初はオリンピックを見て、やりたいと思ったんですよ。2000年のシドニーオリンピック、それとアテネも印象に残っていますね。井上康生選手が好きで。

― MMAではどうでしたか。

最初は柔道の延長でブラジリアン柔術をやって、そこから誘われて打撃をやったり、MMAをやったり。言ってしまえば高い志があって始めたわけではないんです。大学卒業までに何かを初めて、社会人になってからも何かできることがあるといいな、みたいなノリで。そこから「試合も出てみようか」となって、続けていたら今こんな感じです(笑)。

― まさに「好き」の延長で。

そうです。入り口が「金持ちになりたい」とかじゃないので、そういう感覚が100%理解しきれない部分はあります。

― プロとして活躍するようになって、後から夢ができたという感じでしょうか。

ちょっとずつステップを踏んでいる感覚ですかね。「目の前の試合に勝てるように頑張ろう」から始まって、MMAやるようになったらUFCを見るようになり「外国人ともやってみたいな」と思って。そう考えると海外の団体で試合したいな、と。

― 今の夢はONEのベルトですか。

そう言われるとベルトじゃない気がします。「UFCを体感してみたい」という気持ちも大きいし。オリンピックと同じで、あまりにも遠すぎてというのもあったんですけど、ここまでやってきたなら最終的な目標をそこに設定しないとな、と。そうしないと自分の取り組みが嘘くさくなるなって。ONEだったらジョン・リネカーとかUFCを経験したトップ選手がいますし、そういう相手に自分がどこまで通用するのか。突き詰めると「強い人とやりたい」と。強い人たちとリングで向かい合った時に、自分はどれだけやりたいことをやれるのか。そういう興味ですね。

― 首の負傷での長期欠場もありましたが、その時期はどんな心境でしたか。

最初は復帰の目処が見えなさすぎて、どうしようかなという気持ちになりました。格闘技はこれで終わりかもしれないとなって、他の道も考えたんです。ただ、そこに後悔もあって。そこで自分の格闘技キャリアの中で「やり残したことが結構ある」なと気づきました。その頃は外国人選手とも試合をしていなかったし、海外に行くとかっていう段階でもなかったので。あらためて自分の取り組み方を考え直しました。

― いま格闘家を志している若者にアドバイスはありますか。

失敗一つひとつに一喜一憂する必要はないっていうこと。失敗したら反省して克服すればいいだけですから。分かりやすく言うと、スパーリングの勝ち負けを全部気にする必要はなくて。あとはやっぱり、好きでい続けること。好きでやっていたら、いずれ形にはなってくると思います。

― 若い選手は「1回でも負けたら終わり」と考えがちですけど、そこで終わらない選手が強かったりもします。

負けても終わりじゃないし、失敗しても終わりじゃない。『格闘DREAMERS』で落ちた人も後から上がっていく可能性はあります。逆に合格しても気持ちが切れたらやめちゃうかもしれない。ここはスタート地点ですから、とにかく格闘技を好きでい続けてほしいです。

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