「皆さんも電力を享受してきた。“自分事”として捉えてほしい」原発新設などを主張する“リプレース推進議連”の事務局長に聞く
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 きのう初会合が行われた自民党の「脱炭素社会の実現と国力維持・向上のための最新型原子力リプレース推進議員連盟」。再生可能エネルギーの必要性は認めつつ、エネルギーの安定供給のために原発は欠かせないとの立場を取る議員たちの集まりだ。

・【映像】滝波議員を生直撃

「皆さんも電力を享受してきた。“自分事”として捉えてほしい」原発新設などを主張する“リプレース推進議連”の事務局長に聞く

 会長に就任した稲田朋美衆院議員は「新たな技術で安全性を高めた新型炉によるリプレースを進めることが鍵だと思っている」と挨拶。安倍前総理も「エネルギー政策を考える上において、原子力にしっかりと向き合わないといけないのは厳然たる事実である」と訴えた。同日夜の『ABEMA Prime』では、事務局長に就任した滝波宏文参議院議員に話を聞いた。

「皆さんも電力を享受してきた。“自分事”として捉えてほしい」原発新設などを主張する“リプレース推進議連”の事務局長に聞く

 まず、議連立ち上げの趣旨について、「わが国のエネルギー政策の根幹となる“エネルギー基本計画”の第6次計画を作るタイミングが来ていて、この1カ月くらいがまさに大きな山場だ。ここでカーボンニュートラルを踏まえ原子力を活用していくということが必要なんじゃないかと同志が語らい、議連を立ち上げた。定義を突き詰めていくと細かくなってしまうが、今回の議連では色々な土地があるので廃炉と新増設を組み合わせるという意味でリプレース(建て替え)と考えている。また、すでに党内には私も参加する電力安定供給推進議連があるが、これはエネルギー全体の中で安定的な電力供給を考えるという幅広い議連で、エネルギー基本計画でもリプレースも含む総合的な提言をまとめる。一方、今回発足した議連は原子力、しかもリプレースに特化して活動を盛り上げ、政府与党の中で訴えていくという趣旨のものだ」と説明する。

「皆さんも電力を享受してきた。“自分事”として捉えてほしい」原発新設などを主張する“リプレース推進議連”の事務局長に聞く

 「すでに福井県では運転開始から40年を超える敦賀原発3、4号機をどうするかという問題が生じていて、実は3.11の前から敷地まで作っているが、昨年秋にはエネ庁長官が県知事に“国の原子力政策の方向性が見えないので、はっきりしてくれ”と言われてしまっている。立地としてもそうだが、産業としても人材としても、この先が見えないとなかなか付いてこない、難しいという部分がある。アメリカの場合もスリーマイル島原発事故後に産業が止まってしまい、ノウハウも見通しも無くなってしまったし、フランスに並んで技術を持っていた日本がそういうジレンマに入りつつあるということだ。それに対し、中国、ロシア等、自由主義国以外の国がどんどん原子力をやって、途上国に売るということになってきている。古い炉を長期で使い続けるよりも、安全性が高まっている炉にアップグレードするという側面もあるし、国力を維持するためにも、リプレースという方向性が見えれば、技術も人材も立地も付いてくるのではないか」。

「皆さんも電力を享受してきた。“自分事”として捉えてほしい」原発新設などを主張する“リプレース推進議連”の事務局長に聞く

 他方、原子力発電については“コスト”、さらには“核のゴミ”にまつわる議論もある。

 「原子力については事故を起こした際の賠償などの“社会的コスト”みたいなものも入っているが、再生エネルギーには入っていないという問題がある。例えば再エネは風が吹くとき、太陽が出るときは大きく発電ができるが、そうでない時は小さくなってしまう変動電力なので、別の電力で埋めなければならない。これまでそこを火力で埋めてきたわけだが、その意味では二重投資になって非効率になってしまっていた。これがもし安定電力になれば、発電所を1カ所だけ作れば済む。そういう、全体でのコストが比較に十分に反映されているのか、といった評価についても議連では議論していく。

 そして、白紙の状態から原子力を始めるかどうかの議論をしているわけではない。大阪万博の頃から立地のリスクの上に、安定安価な電力をみんなで享受し、高度成長してきた。その中に、いわゆる核のゴミ、使用済みの燃料がある。“トイレなきマンション論”、つまり最終処分場もないのに原子力発電所を作るべきではないという意見があるが、立地からすると議論の立て付けがそもそも間違っている。もうゴミがある以上、どうやったってトイレを作らないといけないというのが現実だ」。

「皆さんも電力を享受してきた。“自分事”として捉えてほしい」原発新設などを主張する“リプレース推進議連”の事務局長に聞く

 日本のエネルギー戦略について菅総理大臣は昨年10月の所信表明演説で「省エネルギーを徹底し、再生可能エネルギーを最大限導入するとともに、安全最優先で原子力政策を進めることで安定的なエネルギー供給を確立する」と述べていた。また、先月の参議院予算委員会では「資源の乏しい我が国において、気候変動問題や電気料金の上昇などを考えるときに、原発ゼロで最適な政策を実現できるというのはきわめて厳しいと思っている」とも答弁している。

 滝波議員は「日本の原子力の議論のもつれた糸がほぐれていないのは、二次元で考えていないからだ」と指摘する。

 「すなわち、原子力推進か、脱原発かという一直線で議論をしているが、立地している地元の人たちは、自分たちが放り出されているという疎外感を感じていて、“棄民“という言葉さえ聞こえてくるくらいだ。原子力は安全じゃないと言われるが、その安全は誰の安全なのか。一番リスクを抱えているのは、立地の住民の方々だ。その人たちの安全を確保するための避難道の整備が、この10年でもっと進んでいないといけないのに、なかなか進んでいない。今国会でも、原子力立地特別措置法という、まさに避難道の整備のための法律が議論されているが、残念ながら2党くらいが反対されているために進んでいないという現状がある。私が訴えたいのは、皆さんに“自分事”として捉えてほしいということだ。沖縄や海外に住んでいた方以外は、何らかの形で原子力の安定安価な電力を享受している。それは福井をはじめとした立地のリスクの上にだ。ゴミについても、みなさんが作ったゴミだ。それが中央の議論の中では、まるで外で起きていることのように多くの人が感じている部分が辛い」。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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