平本蓮「出る杭になればいい。俺は格闘技で作品を作ってるんだから邪魔すんな」#格闘技に夢はあるか?
【映像】ABEMAでみる

 “波乱万丈の人生を生きる金の卵たち=DREAMERS”が、LDH martial artsとの契約をつかみ取り、自らの人生を変えるべくABEMALDHが始動させた格闘オーディション番組『格闘DREAMERS』でのサバイバルに挑んでいる。番組のテーマは「拳でつかみたい、夢がある」。とはいえ、厳しい生き残りをかけ、目の前に訪れる数々の試練を乗り越えた先に、思い描いていた夢は果たして存在するのか…。そこで夢を叶えるべく格闘の世界に飛び込む若者が増えるいま、日本の格闘シーンの一線で活躍する選手や関係者に、「格闘技に夢はあるのか?」という共通のテーマをストレートに投げかけるリレー形式のインタビューを実施。第11回目は、K-1のトップファイターからRIZINに参戦、昨年末に総合格闘技デビューを果たして注目を集める平本蓮。気になる彼の答え、胸の内とは――。

【映像】平本蓮が「実弟」を連れ参戦

― 平本選手から見て、格闘技に夢はあると思いますか?

自分自身が格闘技に夢を見ていますね。まだ夢を叶えたとは言えないですけど夢を売る側だとも思う。生きていたら誰にも夢はあるじゃないですか。警察官になりたいとか、YouTuberになりたいとか。僕にはとって、それが格闘技だったんですよ。

― すでにプロとして活躍されていますが、まだ夢は叶えていない?

まだまだ、こんなんじゃないなって(笑)。ラスベガスで試合してバンバンお金使ってみたいな。そういう姿がカッコいいと思ってるんで。満足できないから余計のめり込んじゃうんですよね。僕は引退できるかどうか分かんないです(笑)。できる限り格闘技をやりたくて。いいんですよね、格闘技。

―やっぱり目指すべきはメイウェザーやコナー・マクレガーですか。

だと思います。そこを目指さない人は(成長が)止まっちゃうと思うし。格闘家はみんなそう思わないとダメだろって。全員ああなれるわけではないですけど、その気持ちが大事っていうか。子供の頃からずっとやってきて、今も仕事でやってる感覚が全然なくて。自分の感覚としては格闘技やらせてもらってるニートなんですよ(笑)。格闘技の練習を義務だと思ったことがない。「これやりたいな」、「こういうふうになりたいな」っていうことの繰り返しでここまできましたね。自分が興味持ったことしか吸収できないと思うんで、人って。格闘家の道はつらいって言う人もいるし、実際つらいとも思うんですけど、好きで選んだものだから、そのきつさもそこまでじゃないっていうか。

― 『格闘DREAMERS』に出ている若者たちにも、まずは楽しんでほしいですか。

ああいう番組に出ると。ひがみも含めて「なんだあれ」って言われると思うんですよ。チャンピオンクラスの人は言わないでしょうけど、いま下積みというか、一つひとつ段階を踏んでるみたいな人は面白くないでしょうから。僕の周りにもいますからね「あんなのただの番組だから」って。でも、そう言われたとしても出る杭になったほうがいいんですよ。最近、とくに思いますね。「お前らみたいに日常の中で格闘技やってるわけじゃないんだ。俺は格闘技で作品を作ってるんだから邪魔すんな」って。だから『格闘DREAMERS』出てる人たちにもどんどん目立ってほしいです。

― やっかみは気にしなくていいと。

世界のトップにまでなったら悦かもしれないですけど、少なくとも日本でやっている段階では知名度があって損することなんて何もないですから。そこから熱いファンも生まれるはずだし。そういうところも含めてやり切ってほしいですね、格闘技を。

― 平本選手も恋愛リアリティ番組に出たことがあります。どうしても偏見はある?

世に出ると否定的な声っていうのはどうしても出てくるんですよ。慣れてないとそれがプレッシャーになっちゃうと思うんですよね。でもそんなの、ただのひがみでしかないので(笑)。格闘家って自分の魅力を出さなきゃいけない。自分が魅力を出せてないヤツが人が魅力を出すのを邪魔する資格なんてないでしょう。今はその過程じゃないですか。過程がどうでも最終的な結果がよければいいと思っていて、その過程でも目立たないより目立ったほうがいいんです。

― 平本選手も今まさに「過程」の状態ですよね。K-1から総合へ。夢の持ち方が変わったという感じですか。

子供の頃の夢よりも今の夢のほうがデカいですね。子供の時はK-1を見て、K-1のトップ、チャンピオンになりたいって思っていたんですよ。でも今はアメリカも意識していて。やっぱり格闘技やるならアメリカンドリームだろうって。ラスベガスのMGMグランドで試合をするとか、そういうのはない世界だからって思い込んでいて。でもゲーオ(・ウィラサクレック)戦の後くらいから「いや、アメリカ目指せるじゃん」と思ったんですよ。「なんで勝手にあきらめていたんだ」って。それは自分がキックボクサーだからっていう固定概念にとらわれていたからだと思うんですよね。

― 「総合やればアメリカ目指せるじゃないか」と。

型にとらわれなくなりましたね。だから総合でも「俺は打撃の選手だから」じゃなくてタックルも狙うし。総合では、レスリングが強い人とレスリングで勝負しても負けるとは限らないんですよ。僕相手に打撃を当てることだってできるわけだし。総合は他の競技以上に型がないですね。

― では総合で目指すスタイルも、必ずしもストライカーではないと。

オールラウンダーになりたいですね。年末の試合は、そこに向けての練習だけだったんですけど、一つ試合が終わったところで視野が広がりました。

― しかもまだ若いですからね。ミルコが総合を始めた歳よりも全然下ですよね。

だから一回負けて、アンチから「お前は終わりだ」とかいくら言われても気にならないですよね。「俺まだ22だしな」って(笑)。まだまだですよ。秋山成勲さんと練習するようになって、一緒に食事するようにもなったんですけど、お話させてもらうとカッコいいんですよね。練習でも「普通これ狙わないだろ」っていう技を当ててくる。凄いなって思いますね。格闘技やってて、引退については魔裟斗さんみたいに一番強い時に引退するっていうのがカッコいいなと思ってたんですよ。でも最近はそうじゃないカッコよさもあるなって。青木(真也)さんもそうですけど、年齢なんて関係なく好きなことを突き詰めてるのがカッコいいなって。勇気をもらえるというか。ああいうふうになりたいですよね。僕も40になっても格闘技をやっていたいなって。UFCのチャンピオンになりたいっていうのも夢なんですけど、長く続けるっていうのも夢ですね。引退した後のことは知らないです(笑)。

【映像】平本蓮が「実弟」を連れ参戦
【映像】平本蓮が「実弟」を連れ参戦
那須川天心がDREAMERSをフルボッコ!
那須川天心がDREAMERSをフルボッコ!