「白塗りする人は政治家になってはダメなのか」「白塗り無しで1万5000票は取れなかった」後藤輝樹氏と河合悠祐氏が投げかける、“選挙と政治参加”
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 先月21日投開票が行われ、前千葉市長で新人の熊谷俊人氏(43)が次点に100万票以上もの差をつけて圧勝した千葉県知事選挙。期間中は、個性的な候補者たちによる政見放送も大きな話題を呼んだ。

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「白塗りする人は政治家になってはダメなのか」「白塗り無しで1万5000票は取れなかった」後藤輝樹氏と河合悠祐氏が投げかける、“選挙と政治参加”

 ネット上には「千葉県民をバカにしている」「税金のムダ遣いじゃないの」などの批判の声も上がっているが、彼らは一体どのような思いで選挙活動をしていたのだろうか。立候補した2氏に話を聞いた。

■「白塗りしちゃう人は政治家になってはダメなのだろうか」

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 まず「大真面目だ。白塗りしちゃう人は政治家になってはダメなのだろうか」と訴えるのが、後藤輝樹氏(38)だ。

 これまで11回の選挙に出馬するも、全て落選している。「そこに選挙があったから、出馬した。伝えたい思いがあるし、もちろん当選するつもりもある。2011年の統一地方選挙から出始めて、6回目、最初の都知事選までは“正攻法”で普通にやっていたが、あまりにも“鳴かず飛ばず”なのでショックを受けた。そのあたりから開き直って、選挙ポスターを個性的なものにしていった。一つ一つ積み重ねた結果“ローマは一日にして成らず”、的な感じだ。区長選には3回出たが、供託金が100万円なので300万円。これは都知事選と同じ額だ。最初から都知事選に出ておけば良かったとも思った。11回で合計1320万円持っていかれているので、本当に“地獄絵図”だ。あまり収入もないので、生活を切り詰めている」。

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 1万2000票あまりを獲得した今回の選挙結果については「有権者の良識が機能したということだと思うが、もっと入らないとおかしいとも思う。僕には若者の投票率を上げたいという思いもある。今のままでは若者向けの政策よりも高齢者向けの政策が重視されてしまうし、投票に行って初めて世の中が動いていくのに、文句を言っているだけでは変わらないから。せめて投票に行ってほしい」と語った。

 去年の東京都知事選挙の政見放送では、ほぼ裸で“言論の自由”をアピールした後藤氏。今回の政見放送でも、約5分の持ち時間で交際相手の好きなところを列挙。最後は「俺と結婚してください」と、まさかの“公開プロポーズ”をした。「コロナ禍でも楽しく幸せに生きられる方法があるよ、楽しく僕は前向きに生きているよというメッセージを伝えたかった」。

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 政見放送については「権力に左右されることなく言論を表現できる場。僕はピカソだ。受け手が感じて欲しいなと思っている」と話す。

 「奇をてらっているというわけではなく、普通に表現しているだけだ。とんねるずさん、ダウンタウンさんで育った世代だし、政界ではそういう存在になりたいなと思っている。そもそも政治家の人たちは自分の綺麗なところしか見せないが、僕は綺麗ごとだけを言って騙したくない。僕自身は普通だと思っているが、ちょっと個性的だと思っているし、恥部やマイナス面も含めて見せておかないと、後で何か言われてしまうかもしれない」。

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 そんな後藤氏について、ジャーナリストの堀潤氏は「政策ではなく、知名度や奇抜さなどに票が集まる社会ではあると思う。後藤さんについて良く見てみると、優しくて、いろんな人たちの声に耳を傾けていたりするし、僕の番組で全ての候補者にアンケートを出したところ、後藤さんからすぐに返事が来た。“一緒に話しましょう”と言えば、ちゃんと向き合ってくれると思うし、今の社会構造を体現されているんだと思う」と一定の評価をした。

■「白塗り無しで1万5000票を取ることは無かったと思う」河合悠祐氏

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 他方、当選を目的とせず立候補したというのが、ピエロのような出で立ちで選挙活動をしていた河合悠祐氏(40)だ。「もちろん将来の選挙に向けての顔見せという意味合いもあるが、あとは単純に知名度を上げたいというか、私は会社経営もしているので、知名度はあるに越したことはないという、複合的な意味合いで出た」。

 普段は転職支援やイベント企画などを手掛ける会社を経営する河合氏。今後に繋げるために自分の意見を発信しているSNSやYouTubeチャンネルに誘導、知名度を上げるための奇抜な行動だったという。「千葉に特色を持たせたい、人を集めたい、税収をアップさせる。それくらい特色がないと誰も行かないわけだから、千葉もそういうものを作らないと、ということの例として挙げた。ただ、5分30秒の政見放送で、私の人柄や真意を完全に伝えきるのは無理であると最初から思っていたので。票を取りに行くというよりもパフォーマンスして、ネットでバズらせて皆さんに認知して頂くための選挙だった」。

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 そんな河合氏について、前出の後藤氏は「僕とは違う。僕は本当に命懸けで、お金もないので竹やりで突っ込んでいるみたいな感じだが、河合さんは京都大学卒業で賢くて、お金も持っている。政見放送についても、ちゃんと“動線”を考え、売名を狙ってやっているので、マネをしてほしくはない。次第に“政見放送よくないよね”と規制が入ったり、供託金の額が上がったりしてしまうかもしれない」と懸念を示す。

 こうした指摘に河合氏は「もちろん権限の大きな知事選、特に東京都知事選に通れば一番良いが、組織票なども何もない状態で勝てるわけがない。その意味では、今回はあくまでPRのための選挙だったということだ。ただ、例えば市議選などは勝てる選挙だと思うし、これからイメチェンして、地道に地方から議員を増やしていって国政政党にしていくということだって十分可能な話だ。そのための一発目の花火としては効果的であったと僕は思っているし、全く無名で何の実績もない40歳のおじさんが白塗りもせずに出てきても、おそらくネット上では全くバズらなかったと思うし、1万5000票を取ることも無かったと思う」と反論。

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 さらに政見放送についても「メッセージ性もあった。政見放送とは古く、あまり意味をなさないものだと思っている。他の候補者さんを見ると、原稿をただ棒読みしているだけのもの、抽象的な綺麗ごとばかり言っているものが多く、何も言っていないに等しいと感じた。それならむしろ何も言わないということをやろうという、揶揄の意味合いがあった」と説明した。

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 河合氏は続ける。「そもそも論だが、全ての法規範の最高位に位置し、最も優先されるべき憲法、その中で最も権利性の高いもの、それが表現の自由だ。ちょっとでも国の悪口を言ったら特高警察に連行されるという、思想・良心の自由が害された戦前の経験があったからだ。僕に対して“お笑い番組でやれ、M-1でやれ、R-1でやれ”と言う人がいるが、むしろ逆だ。政見放送こそ、自由に表現していい場なんですよということ伝えたい。法学部だったら1年生のときに“芦部憲法”などを読まされるが、皆さんも憲法の本を一冊ぐらい読んでみてください。そうすれば、私が言っていることに合理性があることが分かると思う。

 そして立候補、被選挙権についても、憲法15条で選挙権と表裏一体で保障されている国民の権利だ。テストでいい点を取ったやつだけが立候補すべきだと言い人もいるが、それはバカな議論だ。投票する人より投票される人が多くたっていい。だから皆さん、100人でも200人でも何万人でも、立候補したらいい。で、国民の憲法の権利だ」。

■カンニング竹山「選挙期間中こそもっとワイワイ言って盛り上げてもいいんじゃないか」

「白塗りする人は政治家になってはダメなのか」「白塗り無しで1万5000票は取れなかった」後藤輝樹氏と河合悠祐氏が投げかける、“選挙と政治参加”

 駒澤大学法学部の逢坂巌准教授(政治コミュニケーション)は「有権者にとって選挙は自分たちの政治家を選ぶものだが、立候補者にとっては政策や信条も含めて自分を問うものという側面もあると思う。後藤さんも真面目か不真面目かといえば不真面目だが、愛や自由を真面目にパフォーマンスしているとも言えると思うし、選挙をそういうふうに使うことがダメなのか、それを止められるかと言われれば難しい。また、43行目 政見放送は電波という国民の共有財産を選挙に役立てようというのが趣旨だと思う。そのためにも、言いたいことを言えるような形、スペースを確保しておく必要がある。確かに戦前、言いたいことが言えないような時代があった。その経験も踏まえて、というのが根っこの根っこだと思う」とコメント。

「白塗りする人は政治家になってはダメなのか」「白塗り無しで1万5000票は取れなかった」後藤輝樹氏と河合悠祐氏が投げかける、“選挙と政治参加”

 テレビ朝日平石直之アナウンサーは「単に選挙活動をしていただけでは、2000票、3000票くらいしか取れなかったんじゃないかというのは、その通りかもしれないと思う。政党に属している人や有名人でなければ勝てない、つまり政治に参加できる、できないが最初から決まっているような感じがするところに個人がどう抗っていくのか、大事な問題提起をされていると思う」。

「白塗りする人は政治家になってはダメなのか」「白塗り無しで1万5000票は取れなかった」後藤輝樹氏と河合悠祐氏が投げかける、“選挙と政治参加”

 カンニング竹山は「選挙期間になる度に思うのは、テレビの政見放送やニュース番組では扱っていても、我々タレントも含めメディアで働いている人間は何も言えなくなるということ。皆の選挙なんだから、選挙期間中こそもっとワイワイ言って盛り上げてもいいんじゃないだろうかと思ったりするが、それは無理なのだろうか」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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