東京オリンピックの開幕まで、あと100日。しかし、菅総理が「機運を高めていただきたい」と期待を示していた聖火リレーに対して新型コロナウイルス感染拡大のリスクを懸念する声も絶えない。
そんな中、NHKが長野市内を走る聖火リレーを中継していた際、沿道の抗議団体が上げた“聖火リレー反対”“五輪はいらないぞ”との音声をミュートしたことを疑問視する意見が上がっている。
ジャーナリストの佐々木俊尚氏は「民放だったら、ある程度の恣意性も許されるとは思うが、NHKは公共放送。どのくらいの編集権を認めるかという話になってくるし、それ以前に、ハプニングを好まず、粛々とやりたい局だ。そういう習慣の中で、急にボリュームを下げてしまったのかもしれないが、余計なことはしなければよかった」と話す。
「こういうことは選挙活動でもよくある。聞きに来た人は候補者の声を聞きたいのであって、罵声を聞きにきたわけではない。聖火ランナーについても、視聴者は“五輪やめろ”という叫びを聞きたくて見ているのではないはずだ。ただし表現の自由の問題もあり、いずれも法的に罵声を飛ばしていけないというわけではない。それでも人々が喜ぶのかというと、喜ばないよねという問題が出てくるし、走っているランナーの方に共感が行けば、社会運動としても成功とは言えないと思う。そこで問題なのが、声を消された場合だ。ここで”消されてかわいそうだよね”という共感が広がれば、社会運動としては成功、ということになる場合もある。その意味では、今回のケースは消された人の勝ち、と言えるかもしれない」。
「BlackDiamond」リーダーのあおちゃんぺは「沿道で叫べたという点では、言論・表現の自由は行使できたと思う。さらにNHKの中継を利用しようと考えたのかもしれないが、そこから先はNHKのもので、流す流さないもNHKの判断だと思う。映ってはいけないものが映ってしまったときにモザイクをかけようとするのと同じではないか」、オンラインサロン『田端大学』主宰の田端信太郎氏は「“五輪反対”のプラカードを持っている人が沿道を覆いつくしている場合、全部モザイクかけるのは、さすがに無理なんじゃないか。その時はどうするのか」とも話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)
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