“波乱万丈の人生を生きる金の卵たち=DREAMERS”が、LDH martial artsとの契約をつかみ取り、自らの人生を変えるべくABEMALDHが始動させた格闘オーディション番組『格闘DREAMERS』でのサバイバルに挑んでいる。番組のテーマは「拳でつかみたい、夢がある」。とはいえ、厳しい生き残りをかけ、目の前に訪れる数々の試練を乗り越えた先に、思い描いていた夢は果たして存在するのか…。そこで夢を叶えるべく格闘の世界に飛び込む若者が増えるいま、日本の格闘シーンの一線で活躍する選手や関係者に、「格闘技に夢はあるのか?」という共通のテーマをストレートに投げかけるリレー形式のインタビューを実施。第13回目は、DEEPなど日本のトップ戦線で活躍し、現在はONE Chanpionshipでその実力者ぶりを発揮する和田竜光。気になる彼の答え、胸の内とは――。

― 和田選手から見て、今の格闘技界に夢はあると感じますか?

もちろんあると思います。ただ一言では言えない部分もありますよね。僕もまだ夢を追いかけている途中なので。団体のチャンピオンになるというのも成功でしょうし、メイウェザーみたいに大金を稼ぐというのも成功。僕の場合は世界で一番強くなるっていう夢をもって格闘技界に入ったんですけど、それも途中で変わってきたりとか。

― 「夢」といっても、人それぞれということですね。

テレビとかネットで見た強い人、カッコいい人みたいになりたいって、「入り」はみんな近いと思うんですけどね。最初からお金持ちになりたくてという人は、そんなにいない気がします。だったら格闘家じゃなくてチャトリ(ONE Championship CEO)みたいにビジネスで成功する道を目指したほうがよくない? って。コナー・マクレガーを目指すのもまずカッコいいからで、お金は勝手についてくるんですよね。

― そこから実際に選手になってみて、また夢の持ち方が変わったりもすると。

僕は桜庭(和志)さんとか山本KID(徳郁)さんみたいになれると思って格闘技を始めたんですけど、いざやってると「あれは無理だな」と(笑)。そこで具体的な目標が出てくるんですよ。DEEPのチャンピオンになりたいとか、そうなってみると今度はUFCに出てみたいとか。今はONEに出てるのでONEのチャンピオンになりたいと思っています。格闘技をある程度やった上で、それでも本気で世界一を目指してる人ってどれくらいいるのかなって思いますね。

― 現実を知って、でもそこに目標はある。

結局は「好き」だから、「楽しい」からですよね。自分が憧れたカッコよさに向かって、どれくらい近づけるかというのもあります。今の自分だったら、ONEっていう舞台で日本では経験できない闘いをやっている。それをアジアを中心とした世界の人たちに見せるっていうところですよね。サッカーの日本代表じゃないですけど。これがお金のためにやっていたら、格闘技は割に合わないことが多いですよ。痛いし、ネット見れば批判もされるし(笑)。

― キャリアの中で、ここは辛かったという時期はありますか。

DEEPのチャンピオンになって、RIZINに出たいなという時期があったんですけど、なかなか試合が組んでもらえなくて。「DEEPのチャンピオンにもなったし、格闘技はもういいかな」って思った時はありました。きついという感じではなかったんですけど「ああ、ここが終点かな」みたいな。そこでONEに拾ってもらいましたね。助けてもらったというか。長南(亮)さんに間に入ってもらったんですけど、それがなかったらどうなっていたか分かんない。だから今、少し前に比べると活躍できる場が増えていると思うんですよ。だから夢を持てる人も多いのかなと。

― 今は『格闘代理戦争』、『格闘DREAMERS』のようなプロジェクトで注目を集めるというパターンも出てきました。

ああいうのはいいですよね。大事なのはそこからどれだけ頑張れるかだと思います。ちょっと名前が出たところで勘違いじゃないですけど、自分が特別なんだと思わなければ。ただチャンス自体はあるので。名前を売るっていうのも必要な時代ですし。

― 1年前、コロナ禍において、和田選手は練習を中断してお仕事に専念されていましたね。

あの時は世界がどうなってしまうのか、先が見えない状況でしたから。まずそれを見極めるのが大事だろうと。今は試合ができるやり方があるんだなって分かりますけどね。あと僕に関しては、人生の中で格闘技だけが大事なんじゃないっていうのもあると思いますね。「俺には格闘技しかない」って思ったら、何があっても試合をしたいんでしょうけど。僕には仕事もあるし、家族もいるので。まず生活が一番なんですよね。格闘技はもちろん大事なんだけど、家族や命のほうが大事ですよね。

― キャリアを積んだ大人ならではの考え方もありますよね。逆に若い選手、格闘家の卵たちに何かアドバイスはありますか。

格闘技がカッコいいなと思って始めたんだったら、選択肢があるうちは「自分がカッコいい」と思う方向に進んで行ってほしいですね。試合の相手の候補が何人かいる時に、弱い相手を選ぶのはカッコいいのかどうか。SNSでの発言でもなんでもそうですよね。「それってカッコいい?」、「そういうことがしたくて格闘家になったの?」って考えるのが大事っていうか。自分がこれだと思った方向で思いっきり頑張ってほしいです。

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