(5.15大田区大会で対戦する寺山とAKARI)

 女王にとって正念場となる闘いだ。RISEは5月15日に大田区総合体育館でビッグイベント『RISE on ABEMA』を開催。その中心カードの一つとして、RISE QUEENミニフライ級タイトルマッチを実施する。

 チャンピオンは寺山日葵。昨年秋、チャンピオンが集結したQUEEN of QUEENSトーナメントでも優勝し、名実ともにトップの座に就いた。

 対するAKARIは女子高生ファイターとしても注目を集める新鋭だ。キャリアは7戦と少ないが全勝。3月に行なわれたNEXT QUEENトーナメントを制し、挑戦権を得た。

 8戦目でのタイトル挑戦も、AKARIにとっては決して早くない。RISEのベルトはデビューした時からの目標。勝ち星を重ねても満足せず、常に高いハードルを自分に課してきた。その努力がようやく報われる時が、このタイトルマッチなのだ。

 AKARIを育てた師匠は神村エリカ。かつてRISEにおける強さの象徴とも言える選手だった。女子キック界トップ中のトップでもあり、現在はRISE女子大会のアンバサダーを務めている。

 そんな神村との二人三脚でチャンピオンへの道を進んできたのがAKARIだ。3月のトーナメント、ベルト挑戦がかかる大一番で神村から譲り受けたガウンを着て入場。袖を通すだけで涙が出た。神村の跡を継ぐのは、それほど大きなことなのだ。

 4月15日の会見では、ベルトへの強い思いが言葉になって出た。

「小さい頃から憧れていた赤いベルトを巻きたいです。私がベルトを巻かないとミニフライ級は始まらない。寺山選手をぶっ潰して私がベルトを巻きます」

「ベルトを巻くのは大前提。潰してやろうと思います」

 会見後、ツイッターでも寺山を「(チャンピオンの)器じゃない」とバッサリ。高校生のうちにチャンピオンになるという目標もあるという。

 意気込むチャレンジャーに、チャンピオンも厳しい言葉を返した。

「(自分の)名前を出せないくらいボッコボコにして圧倒的に勝ちたいと思います」

 寺山としては珍しい“舌戦”となったが、そこは特に意識していないと本人は言う。

「トラッシュトークっていうんですか、そういうのが(AKARIは)得意ですよね。煽りで何を言ってもいいと思ってる。若くてうらやましいです」

 勢いに乗るAKARIに対し、チャンピオンとして余裕と貫禄を見せた形。それが、ベルトを巻く者としての覚悟の持ち方なのだろう。寺山もまだ20歳なのだが、すでに追われる側。それを当然のこととして受け入れている。

「ベルトを持っているからには追われる側になる。そこを意識せず、自分らしく堂々と、圧倒的に勝ちたいと思います」

 チャンピオンである以上、対戦相手は誰もが「喰ってやる」という必死さで自分に向かってくる。それを受け止め、退け続けるのがトップファイターの仕事だ。

 AKARIの王座挑戦にはドラマ性がある。そのドラマをも寺山が呑み込むのか、あるいはAKARIが師匠が見守る前でベルトを巻くのか。女子キック屈指の大一番だ。

文/橋本宗洋

【視聴予約】17日(土)17時15分~「RISE148」

RISE148 | 【ABEMA】テレビ&ビデオエンターテインメント
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