7日に『格闘DREAMERS』が放送され、K-1のトップファイターからRIZINに参戦、昨年末に総合格闘技デビューを果たした平本蓮の弟・丈が入れ替え戦に電撃参戦。地下格闘家出身の名津井を相手に圧巻のチョーク葬で勝利を収め、オーディション戦線に名乗り。兄・蓮が「17歳の自分より全然強い」と話す実力を証明してみせた。
2泊3日の合宿による2次オーディションを通過した12名は、GENERATIONSチーム、RAMPAGEチーム6名ずつのチームに分けられ、今月26日に実施される最終オーディションでの決戦に臨むことが発表された。
しかし、2次オーディションを突破した名津井颯はチーム分けの日まで練習場に姿を現さなかったことから、総監督を務める元DREAMフェザー級王者・高谷裕之の逆鱗に触れ、最後のチャンスとして、この日は生き残りを懸けた“入れ替え戦”に挑むこととなった。
名津井の相手として姿を現したのは、かつてキックボクサーとして活躍し「新星K-1の申し子」と称された平本蓮の弟・平本丈、17歳だ。キックボクシング歴12年の丈は、UFCやRIZINなどの団体を知るうちに総合格闘技の世界に魅力を感じるようになった丈は「ここで強くなって世界目指したい」と気を吐いた。
じつは丈は『格闘DREAMERS』のオーディションにエントリーしていたが、事前に行われたPCR検査で陽性反応が出たために参加を断念した経緯があり、本人にとっては思わぬチャンスが到来した格好だ。
「ここで勝てば、誰も文句を言わない」と意気込む丈だったが、地下格闘技界で活躍してきた経験を持つ名津井はリラックスした表情で「倒すだけ」と話し、結果さえ出せば問題ないとばかりに豪語した。
勝負は3分3ラウンドの総合ルールで決定。1ラウンド目は開始とともに名津井が左ロー、右ハイで攻めるも、回避した丈が逆にカーフキックをお見舞い。名津井をグラつかせると蓮から「いいね、カーフ入れよう!」との声が。名津井のタックルをカットした丈がグラウンドの攻防を支配し、バックチョークへ。これをしのいだ名津井が再びスタンドの攻防に持ち込むと、右のパンチが丈の下腹部をとらえ、ローブローで試合が一時中断する場面も。試合は1ラウンド残り1分から再開。丈が右のカーフキックを放てば、名津井は右のミドルを当てて応戦。その後のグラウンドでも丈が優勢で1ラウンドは終了。
1ラウンドを終え、高谷が「動きがいい」と丈を評価すれば、ヘッドコーチを務める岡見も「真面目に練習しているっていうのが伝わってきた」と高評価を下した。
2ラウンド、名津井が再度タックルを仕掛けたが、丈が首を押さえ込むとそのままフロントチョークの体勢に。名津井は金網を使ってエスケープを試みるも、丈が強引にフロントチョークの体勢のまま投げを打ち、ポジションをセンターへ。すかさず名津井の右足をロックし、動きを封じた丈が再び締め上げるとレフェリーが試合を止めた。2ラウンド30秒、圧巻のチョーク葬だった。
蓮は喜びに涙する丈を強く抱きしめると「ちょっと、感動しちゃったっす。舞台がないと思ってたときも、ジムに行ってずっと頑張ってたんで。マジ嬉しいっす。自分の試合以外で喜んだの、初めてかもしんないっす(笑)。マジで、こんなに心から喜べるのマジで初めて」などと話し、弟の勝利に喜びを爆発させた。
一方、入れ替え戦に敗れて首脳陣に「すみませんでした」と頭を下げた名津井。岡見は「気持ちはよかったよ、タップしてないし」と名津井の根性を認めながらも「まあ、負けは負けだから」と、勝負の世界の非情さを突き付けた。
ここで脱落となった名津井は「『やっちゃったな』としか言いようが無い」と語ると、格闘技については「続けるには続けるだろうけど、プロの道はもういかない」と明かし「こんな所でか……」と漏らして、練習場を後にした。