NASA=アメリカ航空宇宙局が約7カ月をかけて火星に送った、重さおよそ1.8kgのヘリコプター「インジェニュイティ(Ingenuity)」が19日、3mほどの高さにまで上昇しホバリング、30秒あまり空中に留まり、無事に着陸した。

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 実は地球以外の惑星で航空機が飛行したのは史上初。この快挙に管制室は喜びに包まれ、責任者の女性は失敗した時のために準備していたというスピーチ原稿を破り捨てた。また、同機には、あのライト兄弟が最初に飛ばした飛行機の翼に使われていた布の一部が搭載されており、NASAのユルチク局長代行は「まさにライト兄弟が味わった瞬間だ」とコメントした。

 20日の『ABEMA Prime』国立天文台天文情報センター普及室長の縣秀彦氏は「今回のヘリを開発したNASAのJPL(ジェット推進研究所)には日本人の若い技術者たちも大活躍している。電波も光と同じ速度だが、それでも火星までは片道16分くらいかかる。だから調整も大変で、予定から1週間以上も遅れた。また、上昇する力を与えるためには空気、大気の力が必要だが、火星の大気は地球上の1%以下。プロペラの回転速度が地球上を飛ぶヘリコプターの8倍くらいでなければならないし、そのためには頑丈な物質を使う必要もある。気温も平均-60℃くらいなので、“寒冷地仕様”にしなければならない」と話す。

 「地球以外に生物、生命はいるのか、という興味・関心があるが、太陽系の中で最もその可能性が高いのが火星だ。まだ地球上に生命が誕生していない40億年前、火星には海があり、大気も十分にあった。生命が誕生し進化する、あるいは地球上の生命は一体どこからやってきたのか、といったことの探求にもつながってくる。そして遠い将来、地球も火星のようになる可能性も想定される。二酸化炭素が増えた惑星で何が起こるのか、科学的なメカニズムを考える手がかりにもなる。

 人類は2020年代には再び月に行って、2030年代以降は火星で有人探査が行われるかもしれないが、そういう意味からも、3mの高さまで上がれた、ということが極めて重要だ。火星の表面はとてもでこぼこしていて、砂嵐もあるので、探査車では行けない場所がいっぱいある。今回は試験機だが、実用段階になれば上空からドローンのように探って情報を与えてくれるようになるだろうし、そうなれば資源や生命の痕跡を探すこともできるようになるかもしれない」(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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