23日夕方、政府の新型コロナ対策本部会議が開催され、東京・大阪・京都・兵庫の1都3府県に対して緊急事態宣言を発出することが決定された。期間は25日から5月11日までとなる。
対象となる地域では、飲食店の時短要請に加えて酒類やカラオケを提供する店への休業要請、Jリーグやプロ野球などのイベントを原則無観客で行うこと、デパートや映画館など大型店舗に対する休業要請などの対策がとられる。大型連休に人出を抑え、感染拡大を抑える狙いだ。
大型店舗への休業要請は、百貨店やショッピングモールなど1000平方メートルを超える施設が対象となる。それに伴って政府は、要請に対応した百貨店などに対し一日20万円、ショッピングモールなどに入るテナントには一日2万円の協力金を支払うことを検討している。
飲食店については、酒やカラオケを提供する場合に休業要請の対象となるが、売上に応じ中小企業には4万円から10万円、大企業には上限20万円の支援を続ける方針だ。
今回の緊急事態宣言の期間について、テレビ朝日政治部の柴戸美佐子記者は「この1年で宿泊業や観光業などが痛んでいるところからの宣言発令ということで、“GWだけなので皆さん協力してください”というメッセージを込めての期間だ」と説明する。
5月17日にはIOC・バッハ会長が来日予定だが、そのことも念頭に入れての期間なのか。「政府は直接の関連性を否定しているが、そこを念頭に入れたとみる声も与党内にある。オリンピックは導線を隔離し対策を徹底して行う予定なので、運営自体に問題はないと考えているが、やはり緊急事態宣言を出さなければならない状態に日本がなっているということで、海外にネガティブな印象を与えかねない。さらに6月には開催条件を決めることになっていて、『その時点で感染者が増えていると無観客も当然ありうる』ということを政府関係者は言っていた」という。
今回は1000平方メートルを超える大型商業施設にも休業要請が出されるが、「一日20万円の支援では足りない」との認識は政府内にもあるという。「話を聞いた政府関係者も『飲食店の20万円と百貨店の20万円は金額としては合わないよなあ』と本音を漏らしていた。ただ、今回はスピード重視でかなり早く宣言を出すことになったので、飲食店以外は規模別の支援策をつくるのが間に合わなかった。そのため横並びで一律という対策になってしまうので、不公平感が出る懸念はある。今回約2週間という短い期間なので、途中から制度を変えても間に合うかという問題があるし、自治体にとってもAで走り出したものをBと急に変えられるとすぐに対応できない現実もある」と指摘した。