若手官僚が次々と退職…質問通告“2日前ルール”はなぜ徹底されない? 小西洋之議員に聞く
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 近年、国家公務員の労働環境が問題になっている。なぜ、霞が関で長時間労働がなくならないのだろうか。

 22日にコンサルティング会社のワーク・ライフバランスが発表したアンケート結果を見ると、「先月の給与支払いで、残業代がすべて正しく支払われたか?」の質問に約30%が「正しく支払われていない」と回答。また、残業が発生する大きな原因として指摘されているのが、質問通告だという。

【映像】官僚が回答! 質問通告で「これは勘弁して」事例集まとめ(8分ごろ~)

 国会の委員会などで行われる質問は、原則2日前までに担当省庁に通告され、担当官僚が答弁を作成する。しかし、前述のアンケート結果では「質問通告2日前ルールは守られていると感じるか」という質問では、8割以上が「守られていない」と答えた。

【アンケートで寄せられた声】

「時には前日の22時や休日など、非常識な時間に行うことも多い」(内閣府職員)

「資料を出さない限り通告を行わないなど、通告を役所との取引に使っている」(国土交通省職員)

若手官僚が次々と退職…質問通告“2日前ルール”はなぜ徹底されない? 小西洋之議員に聞く
若手官僚が次々と退職…質問通告“2日前ルール”はなぜ徹底されない? 小西洋之議員に聞く
若手官僚が次々と退職…質問通告“2日前ルール”はなぜ徹底されない? 小西洋之議員に聞く

 なぜ“2日前ルール”は守られないのか。ニュース番組『ABEMA Prime』に出演した元郵政・総務官僚で立憲民主所属の小西洋之参議院議員は「与野党全体の責任だと思うが、“2日前ルール”が国会として確立したルールになっていない」と指摘する。

「(ルールができたのは)20年前だから、私が調べたところ、この申し合わせを知らない議員も与野党でいっぱいいた。私も官僚だったから、大臣答弁は何百本も書いてきた。国会答弁がどんなに大変な仕事か分かる。ほとんど徹夜になったり、場合によっては朝6時に大臣へのレクチャーをやったりする。かつ、委員会でフラフラの状態で大臣の補佐をする。当時は私も大臣にメモを一生懸命出していた。特別な事情がない限り、質問は2日~3日前に出すような、与野党全体でルールをつくって、こういう事態は改善すべきだ。それが官僚の皆さんのためであり、国のためだと思う」

若手官僚が次々と退職…質問通告“2日前ルール”はなぜ徹底されない? 小西洋之議員に聞く

 与野党で合意した上で、しっかりルールをつくり、周知する必要があるとした小西氏。また、質問通告が遅い政党として自身が所属している「立憲民主党」の名前が挙がっていることについて「いくつかの役所に(アンケートの意見が)偏っている」と述べる。

「アンケートの結果が、いくつかの役所に偏っている。これが本当に正確な数字を反映しているか、正直分からないだろう。議員のあるべきやり方で、私は100%やっている。私は予算委員会の仕事をしているが、予算委員会の場合は毎国会予算委員会が始まる前に理事会で与野党が合意する。参議院の予算委員会のルールは、2日前ではなく前日の5時までだ。確認したところ、今年の予算委員会の立憲民主党の質疑者でこの与野党ルールを破った人は一人もいなかった。私も守っているし、全員守っている」

「立憲民主党は質疑の数も多いので、結果的に官僚の皆さんに負担をかけた数が多いのかもしれないが、この問題は戦後何十年間もずっと続いている。この機会にボトルネックを解決すべきだ。与野党で“2日前ルール”に合意をして、官僚の皆さんの負担を減らし、かつ同時に意義のある質疑のあり方を模索していきたい」

若手官僚が次々と退職…質問通告“2日前ルール”はなぜ徹底されない? 小西洋之議員に聞く

 もう一つの問題は、デジタル化の遅れだ。 アンケートに回答した官僚からは下記のような嘆きの声が寄せられている。

「過去に渡した資料をもう一度印刷させられる」

「全ての説明や資料共有について対面を要求」

「幹部がテレワークしない。『テレワークは楽』という風潮がある」

 また、ここでも「デジタル化未対応な国会議員の所属政党」として、立憲民主党の名前が多く挙げられている。小西氏は「この会社が行ったアンケートで、何を持ってデジタル化と言うのか、項目を全部見た。『事務所の中で名刺ソフトを使っているか?』など、いろいろなことが書いてはあったが、選挙や事務所運営におけるデジタル化は、そんなに与野党で差はない。何を持ってこの結果なのか、分からない。デジタル化は、アンケートをした会社にデジタル化をやってる議員として登録した数だ。だから実態を反映しているものかどうか、分からない」とアンケートの集計方法に疑問を隠せない。

若手官僚が次々と退職…質問通告“2日前ルール”はなぜ徹底されない? 小西洋之議員に聞く

 制度アナリストの宇佐美典也氏は「1980年代では、役人が答弁を書いて読むのが主流だった」と話す。

「政治改革の中で、答弁者はなるべく政治家にしようとなって、主に大臣や副大臣がちゃんと答弁しようとなった。それによって、政治家の答弁能力が上がっていくと当時は想定していたが、結果的に間に挟まれる官僚の負担が増えてしまった」

若手官僚が次々と退職…質問通告“2日前ルール”はなぜ徹底されない? 小西洋之議員に聞く

 小西氏によると「役所に資料をもらうときに、メールやファックスで送ってもらうケースも増えている」という。これにネット掲示板『2ちゃんねる』創設者のひろゆき氏は「それを100%にしたら、デジタル化の問題は発生しないのではないか。印刷するかどうか、政治家本人に任せる。政治家に電子タブレットを渡すなり、電子タブレットが難しいなら、事務所の秘書さんがやるなり、もう政治家の責任にしてくださいという話にすればいい」と投げかける。

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 ひろゆき氏の質問に小西氏は「そういう改革は既に一部でやっている。2年前、参議院はペーパーレス化を衆議院よりも先にやった。国会に出す役所の資料も、白書のような冊子にしたものではなく、要旨のPDFだけでよくなった。ひろゆきさんがおっしゃるように、原則を変えて、データでやるようにしないと改革が進まないと思う」と理解を示した。

 国家公務員が疲弊する原因になっている質問通告やデジタル化の遅れ。国民のためにも早急な改革が求められている。

ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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