「新刊本はメルカリで意外と高く売れる」「定価の80%以上」。TSUTAYAがメルカリと共同で店頭にPOPを掲出した、読み終わった書籍の出品を促す「メルカリで新刊本をもっとオトクに読もう」キャンペーン。
一部店舗で13日からスタートすると、「著者への配慮が足りない」「万引きを助長するのでは?」など批判が噴出、今週26日、TSUTAYAはキャンペーンの中止を発表した。
先月『菅政権 東大話法とやってる感政治』(星海社新書)を上梓したばかりの元経産官僚・宇佐美典也氏は「電子書籍は新刊でも紙よりもちょっと安いということもあり、売上が上がってきている。紙の本が減っていく中、“こういうこともできますよ”というアピールをするのもアリなのではないか。ただ著者の目線からすると、書店に“すぐ売れますよ”と言われるのはあまり良い気がしない(笑)。それでも服などはメルカリで売り買いして回っている部分もあるし、本だけがその例外というわけにも行かないと思う。読み終わったらブックオフに売ろうと考えて買っている人だっているだろうし、あまり目くじらを立てるのはどうかと思う」とコメント。
来月『母ちゃんのフラフープ』を出版予定のロンドンブーツ1号2号の田村淳は「ちゃんと印税を落としてもらいたいという気持ちもあるだろうが、売られてしまうことは止めようがない。だから僕も売ってもらっても大丈夫派だし、『母ちゃんのフラフープ』も、買ってすぐ売ってもらっても構わない(笑)。ただ、キャンペーンとして堂々と言わなくてもいいのかなとは思った」と話した。
また、『時間とテクノロジー』(光文社)など多数の著書のあるジャーナリストの佐々木俊尚氏は「例えば1冊1500円だとすれば、SNS時代においては値段の高いエンタメだ。それが1200円くらいで売れるのであれば、実質300円くらいで一冊読めることになるし、他の本を次々と買うことにも繋がり、新刊本が売れるサイクルができていく可能性もある。著者としては買ってもらうことも嬉しいが、それ以上に書いたものが世の中に広まることの方が嬉しいので、僕は図書館で借りてもらってもいいと思っている。知は広げることが大事なんだし、読んだ結果“さらに奥深い世界を知りたい”と思わせることが大事だ。守れ守れと言う割にくだらない本も多いのが今の出版業界ではないか。いずれは処分することになるのに、守りに入った結果がいまの体たらくだ」と厳しく指摘した。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)
この記事の画像一覧





