「徳島の皆さんに悲しいお知らせをしなければなりません。ジャンプの土曜日入荷は3月いっぱいまでです」(徳島県のある書店のツイート)
集英社から発売されている人気漫画雑誌『週刊少年ジャンプ』。同誌が徳島県で「4月から月曜日に発売される」というニュースが今、ネットで大きな話題になっている。
■徳島の特権? 『週刊少年ジャンプ』“発売日変更”にネット阿鼻叫喚
【ネットの声】
「30年弱ぐらい前一度行ったとき、土曜日に売っていてビックリだったが…」
「土曜に発売されるジャンプが徳島の誇りだった」
「数少ない徳島が恵まれている要素のひとつが消えた」
そもそも『週刊少年ジャンプ』は、全国的には月曜日に発売されるもの。なぜ、今まで徳島県だけ2日早い“土曜日”に発売されていたのだろうか。
ニュース番組「ABEMAヒルズ」のスタッフが、徳島県内の書店の従業員を取材すると、土曜発売の歴史は古く、約50年前に遡るという。
「本当にこれは色々所説があって定かではないのですが、50年くらい前からずっと土曜日に出しているそうです。配達の都合などで、四国に入るのがだいぶ早いのか、『商品があるのになぜ並べない?』と言われていたようです。当時の書店に関わる人か、もしくは配送に関わる人が土曜日に出して、その流れのままというお話があります」(徳島県の書店で働く従業員)
【映像】漫画『鬼滅の刃』ファンの書店員「ある程度、書店ごとに一任されていた」
気になるのが、発売日変更の理由だ。取材に応えてくれた書店の従業員は、これまでの週刊誌の発売日に関して「ある程度、書店ごとに一任されていた」とコメント。発売日変更の理由について、出版社から指摘などがあったわけではなく「配送上の理由がある」と話す。
「今まで土曜日にトラックの配送があったのですが、休配日がかなり大幅に増えてきました。土曜日に出ていた分の荷物の配送自体が休みになったことで、日曜日をまたいで月曜日発売になる書店が増えた形だと思います」
コロナ禍でデリバリーサービス市場の需要が高まっているが、運送会社の人員には限りがある。『週刊少年ジャンプ』発売日の変更の裏側には、休配日の増加があったのだ。
しかし、休配日がない週については、今後も一部の書店でこれまで通り土曜日に発売することもあるという。
「土曜日に休配日がない週に限っては、今まで通りになっていますね。(発売日が変わって)やはり『え、なんでないの?』という方もかなりたくさんいらっしゃいます。今まで土曜日発売が本当に当たり前だったので。毎週土曜日に買いに来ていただいて、そこでコミックの新刊などを『週刊少年ジャンプ』と一緒に買っていっていただくことが多い。土曜日の一番にぎわう時期に『週刊少年ジャンプ』が出ないなら行かなくていいかと思ってしまうお客様が多くなるのかな。そう思うとちょっと寂しいです」
このニュースに『ラブひな』や『魔法先生ネギま!』の原作者である漫画家・赤松健氏は「読者間の格差はなくしていくべき」と話す。
「同誌で昨年5月に漫画『鬼滅の刃』が最終回を迎えたが、徳島県だけ2日早く読めたことになる。読者間に格差があるのは問題で、なくしていかないといけない。その地域だけ早く出ることで漫画が違法にスキャンされて、正式発売日前に海賊版をネットに流されてしまう危険性もある。読者にはみんな一斉に見てもらいたい、というのが作者側の願い。徳島県を批判するわけではないが、休配日が無い週でも早売りは避けてほしい」(赤松健氏)
(ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)
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