コロナ禍でイベントの中止が相次ぐ中、「#花火駅伝」という取り組みが行われている。Twitterで募集した「笑顔になれる」をテーマにしたエピソードが実際の花火に張り付けられ、全国の200カ所以上の夜空に舞い上がる。
続々と夜空を彩る無数の光。この日、神奈川の相模原市では、会場となった市の施設跡地から75発が打ち上げられた。
「(花火大会は)減っていますけど、皆さんに楽しんでいただける花火をあげたいなと」
打ち上げを担当するのはこの道約30年、相模煙火店の出頭義紀さん(65)。津久井湖の湖畔にあるこの場所からの打ち上げは初めて。生い茂っていた雑草は刈ったものの、気を抜けば引火の恐れもあり、緊張の中準備が進められる。
「現在4歳の長男は花火が大好きで、夏場は花火柄の甚平を毎日着ています」
「#花火駅伝」でTwitterに投稿されたこれらのエピソード。実際打ち上げられる花火に貼り付けられており、名付けて「ツイート玉」だ。そうした中、出頭さんにはある特別なメッセージが届いていた。
「近くの方が今回の花火を心配されていたんですけど、去年旦那さんが亡くなったというので、『きょうの花火は遺影を抱いて見させてもらいます』と。涙もろくてさぁ…」(出頭さん)
花火が持つ不思議な力。投稿した人の数々のエピソード、そして、花火師の思いがコロナ禍の夜空に打ち上げられた。
ゴールデンウィーク中に全国各地で毎日行われたこの「#花火駅伝」もきょうが最終日。密集を避けるため主催者側から開催場所や時間の発表はなく、いつ・どこで花火が上がるかはわからない。各地でLIVE配信が予定されているイベントもあり、花火が打ちあがらない地域でも楽しむことができるということだ。
SNSでは「子どもたちがすごく喜んでいました」など喜びの声が多くあがっている。
(ABEMA/『ABEMA Morning』より)