連日、日本の約2倍となる約8000人の新規感染者、日本の約10倍となる累計11万人の死者が出ているロシア。しかしANNモスクワ支局長の長谷川由宇記者によると、国民の危機意識は低下しているようだ。
「政府の“経済最優先”の方針により飲食店やプール、サウナなどは通常通り営業を続けている。また、もともとマスクを着用する習慣がなかったことに加え、質の高い製品があまり流通していない。さらに4月は記録的な高温だったこともあり、“熱中症になって死ぬリスクの方が高い”として、屋外でマスクを着用していない人も多い。今も“ウォッカを身体に塗れば治る”などの民間療法もまかり通っているし、外出制限などへの疲れもあり、危機意識は低いと感じる」。
そんな中、ロシア政府は今年に入り、当局が野党が会議をしているホテルに踏み込んで“マスクをしていないから”との理由で摘発したり、反政府勢力のデモや集会についても“人が集まる”という理由で事前に解散を命じるといったことを続けているという。他方、いち早く自国産のワクチン「スプートニクV」を開発、大規模接種を実現したことをアピールしているものの、接種の完了率は人口の5%程度にとどまっている。
「私がインフルエンザの予防接種を受けたところ、周りから“なんでそんなの受けるんだ、痛いじゃないか”と言われるくらい、人々は注射が嫌いだ。一方、ワクチンが確保しづら状況にあるハンガリーなどの国々を取り込もうと、安価でスプートニクVを輸出するなど、ロシアならではの外交戦術も展開している」。
(ABEMANEWS)