トップ棋士にして、日本将棋連盟会長という重責を担う佐藤康光九段(51)。その魅力は将棋の強さやリーダーシップだけでなく、コメントのおもしろさにもある。プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」で、佐藤九段は自らリーダーを務める「チーム康光」で、森内俊之九段(50)、谷川浩司九段(59)というレジェンド三人衆を結成。図抜けた存在感と、抱負な経験、そこに3人それぞれの棋風を入れ込んだ戦いぶりで、ファンを魅了している。その中で佐藤九段は、視聴者やチームメイトを笑顔にする“笑いの一手”を次々に披露した。
会長職の重責をこなしながら、対局では見たこともない手を指すことで、時に「怪鳥」ともファンから呼ばれる佐藤九段。個性派の棋士であることは自他ともに認めるところで、これが言葉になって現れたのがチーム糸谷の個性派・山崎隆之八段(40)と対戦する前だった。
先輩・谷川九段から「山崎さんとはたくさん指されているから」と、心配ないと声をかけられた佐藤九段だったが、ここで早速ニヤリ。「そうなんですよね。意外に正統派の将棋になるんですよ」とつぶやいた。これには谷川九段も「個性派と個性派だと…」。マイナスとマイナスを掛けるとプラスになるようなものだと微笑んだ。
また谷川九段が山崎八段に勝利した際、山崎八段の驚異的な粘りがあったことにも触れると「さっきの谷川さんとの(将棋)を見ていると恐ろしいですね。(山崎八段は)悪くなった時の力が半端ないですからね。いい時の指し方と同一人物とは思えないですね」と、またニヤリ。劣勢になってからの方が強いという不思議な棋士だと評すると、ファンからは「一周回って正統派は笑う」「同一人物とは思えないw」と、納得だという声が多数寄せられたほか、エッジの効いたコメントをする佐藤九段に「会長が元祖フリースタイル」「会長からしたら、全員正統派」といった意見も集まっていた。
◆第4回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名漏れした棋士がトーナメントを実施、上位3人が15チーム目を結成した。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)