「“見回り隊”より相談窓口の人員を、時短要請より入店人数の制限要請を」飲食店オーナーが東京都に訴え
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 東京都への緊急事態宣言が31日まで延長され、百貨店や飲食店にとって大きな負担が強いられる日々が続いている。

 そんな中、事業者にとっては命綱ともいえる「協力金」の申請方法や支給をめぐって、「手続きも複雑で、いつになったらもらえるのかはわからない」「分かりづらいルールと申請方法。都はお店を潰したいのかな…」などの不満の声が上がっている。中には「協力金を受け取れないようにするトラップにしか見えない」との意見も出ている。

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■「みんな本当にどん詰まっちゃって、何すればいいのかもわからない状態」

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 港区麻布十番と新宿区神楽坂でラムチョップ専門店「ULTRA CHOP」を経営する高岳史典さんは次のように話す。

 「都の方も本当に一生懸命やっていただいているとは思うが、飲食の人のやり方というものをもう少し見ていただければと思う。飲食というのは、仕入れた1カ月後に支払がやってくる。今回で言えば、12月分の売上に対する支払が来る1月に、緊急事態宣言で営業を止められてしまった。そうなると、キャッシュが持たない。みんな本当にどん詰まっちゃって、何すればいいのかもわからない状態だ。

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 なぜ協力金支給が遅れると困るのか、そういう感覚をわかってもらいながらやっていただくといいと思う。1回目に申請したものの通知が来ないと2回目が申請できないふうに見えるので、期限を過ぎてしまって支給してもらえない、という声もある。実際、僕もオンラインで申請したが、そのように見えるものだった。これについては完全に人的なエラーだろうし、そういうところを細かく改善していくしかないと思う。

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 今日は陳情に来たわけではないし、都がなるべく支給をしないでおこうと考えているわけではないとも思っている。実際、僕の店もちゃんと補償を受けている。ただ、都の“力のかけ方”については不思議に思っている。例えば申請は紙でもオンラインでもできるが、オンラインがそんなに得意じゃない方もいるので、紙でやったんだけど上手くいかず窓口に行く。あるいは電話をする。しかし窓口に人が少ないために時間がかかったり、繋がらなかったりする。一方で、都内には“見回り隊”が出ていて、僕の店にも申し訳なさそうに“すみません”とやってくる。見回りなんかしなくても飲食店はちゃんとやっているので、困った人の対応をする窓口や電話の担当者を増やしていただけたらと思う」。

 さらに高岳さんは、営業時間の短縮や、若者への呼びかけといった感染防止対策そのものにも疑問を呈する。

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 「日本の新型コロナウイルスは“夜型”みたいになってしまっているが、短くなった夜の営業時間に人が集まることによって、かえって密を生んでいると思うし、実際、営業ができるランチの時間帯にはめちゃくちゃ人が集まっている。だったら人数制限だ。飲食店は言われればちゃんとスペースを空けるし、アクリル板だって付ける。電車だって本数を減らした結果、密になってしまった。結局、通勤しなきゃいけない、メシを食いたい、お酒を飲みたいわけで、それなら人を分散させた方がいい。

 そして若い人たちに向かって“動くな、動くな”と言うが、重症化しているのは圧倒的に高齢者の方だ。それなのに、飲食店にもカラオケにも麻雀にも高齢者が来ている。若い人を制限するのも結構だが、高齢者に対しても、“もっと気をつけてほしい”“高齢者の方ほどステイホームしてほしい”とはっきりと言うことも重要じゃないか」。

■「地域の議員を使って」

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 こうした訴えについて、都民ファーストの会の新型コロナ対策PT座長を務める伊藤悠都議は次のように話した。

 「都の側も決して悪意を持ってこの制度にしているわけではないし、職員の感覚で言えば議会が決めた予算の執行率を高めることが非常に重要なので、申請を難しくするとか、トラップのようなものを仕掛けて抑制するということはありえない。都にとっては10万軒を超える飲食店の皆様への支援を考えるのは初めてのことだ。そういう中で、例えば申請期間を2カ月、3カ月としてしまうと、前の協力金なのか、今回の協力金なのか、双方が混乱してしまう。それを避けるために期限を1カ月で切っている。

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 とはいえ、日々の経営、資金繰りを考えるだけでも手一杯という飲食店さんにとって、1カ月という短い申請期間では支障があるという声があるのも事実だ。また、災害と同様、これは有事だ。こういう時には四角四面に対応するのではなく、合理的理由があるのなら申請期限を少し過ぎてしまったというような場合でも寄り添うべきではないか。

 相談窓口の問題もある。都にはアクリル板設置や換気扇工事など感染防止対策のための助成金制度があるが、“申請したが、ゼロ回答だった。すでに買い込んでしまったのに”といった声があった。これは4月の段階で審査のあり方を見直し、申請に不備があった場合の再申請、再審査のための特別相談窓口を作ってもらった。協力金についても同様の特別相談窓口を作る必要があると思う。ただ、これも都から受注している事業者がやられているケースもあるので、紋切り型のお答えになってしまう可能性もある。

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 実際、TwitterやFacebookで様々なご要望をいただいているので、ダイレクトに局長、あるいは知事宛に要望書を出して改善してもらおうとしている。協力金の申請は4月30日から始まっているが、これまで営業していることを証明する写真や営業許可証などのデータを全て出してくださいというルールになっていたのを簡素化してもらったし、一度出しているなら何度も出さなくていいだろうと。そのようにして、少しでも早く支給できるような仕組みを求めてきた。今回の件についても、すでに会派の幹事長から都の担当局に検討のお願いをしたところだ」。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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