「別れるなら、お前のポルノをばらまくぞって…」海外在住の同性ストーカーに脅され悩む男性

 中川しんごさん(20代・仮名)は、かつて交際していた男性からのストーカー被害に悩まされてきた。

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 男性は留学先のフィリピンで知り合った1つ年下の現地人で、交際は順調だったという。しかし、中川さんが帰国し、学業が忙しくなり男性への連絡が滞ると、「自分に気が向いていない」と怒られるようになったという。

「別れるなら、お前のポルノをばらまくぞって…」海外在住の同性ストーカーに脅され悩む男性

 男性の行為はエスカレート、中川さんのSNSを乗っ取り、男友達とのやりとりをチェックし、勝手にブロックしていったという。嫌気が差した中川さんが別れを告げると、男性は「俺と別れるという選択肢をとるなら、お前のポルノをばらまくぞって。あまりにも怖すぎて見ていないが、一度だけ公開したと聞いた。削除したと言ってはいたが、本当かどうか…」。

 それから3年半。中川さんのもとには、今でも「Next is your work and your friends. I'll send your photos with your workmates.(次はお前の友人、職場だ。俺はお前のポルノ写真を同僚に送る)」といったメールが届き、関係は断ち切れていないままだった。

「別れるなら、お前のポルノをばらまくぞって…」海外在住の同性ストーカーに脅され悩む男性

 中川さんには、別の悩みもあった。「警察に行ってみたこともあるが、相談員の方も同性愛というところで微妙な反応をして、“その元交際相手の男性とは肉体関係をもっていたんですね”って。元々カミングアウトしていないこともあって、まずその聞かれ方で苦しかった。すごく嫌で、耐えられなくなって、“もういいです”と言って断った」。

 理解してもらえないと感じ、被害届の提出を諦めた中川さん。それでも「恐らく前例がすごく少ないことなので声を上げていければなと思う。自分を責めないで、ストーカーしている側は加害者なんだ、ということを皆さんにはわかっていただきたい」と話し、被害届の受理を求めて改めて警察署に向かった。

 「脅迫罪として受理していただいたが、捜査をしても向こうがフィリピンにいる以上、逮捕はできないということだった。ただ、通訳センターを通じて加害者に事実確認と警告をするのはどうかという提案を受けた。それでも加害者の気持ちが止まらなければ、僕のポルノがばら撒かれてしまうというのは避けられないことになってしまう。警察としては、そういう事態の対処はできないと仰っていた」。

「別れるなら、お前のポルノをばらまくぞって…」海外在住の同性ストーカーに脅され悩む男性

 ストーカー問題に詳しいNPO法人「ヒューマニティ」の小早川明子理事長は「同性の行為であってもストーカー規制法や迷惑防止条例で対応してはもらえるが、動機を隠したり、相手が特定できなかったりするという問題はある。また、警察には真実を告げないといけないので、カミングアウトもせざるを得ない。警察が加害者に連絡を取ってくれるということだが、基本的には海外からのストーカー行為について日本の警察は取り締まることができない。なんとかフィリピン警察と連携が取れて、動画がアップロードされている場合は削除等にも協力してくれると一番いい。

 また、加害者はフィリピンにいるので具体的な身体の危険はひとまずないと思うが、これが国内だった場合、職場とか学校、自宅に押しかけてくることもあるので、その際の対処について相談をしなければならず、カミングアウトしないでお願いする方法を探す必要もあり、非常に難しい。私としては、やはり何か起きてしまう前に防ぐことが大切だと思っていて、早期に医療関係者やカウンセラー等が警察と連携して対応にあたる仕組みが必要だと考えている。

「別れるなら、お前のポルノをばらまくぞって…」海外在住の同性ストーカーに脅され悩む男性

 そのためには、ストーカー行為をしている加害者側も含めた相談窓口があるべきだと思う。また、被害者の中には、自分が被害者なのかどうなのか迷っているということで相談にくる方がいらっしゃる。やはり“付き合っているときに僕もひどいことをしてしまったから”“私もお金を借りてしまっていたし”という気持ちを抱えているのも、被害者の特徴だ。しかし民事の問題は民事でやればいいのだし、とりあえず接触や暴言が怖かったり苦しかったりしたら、被害を受けたのだと自覚し、堂々と相談に行って欲しい」と訴えた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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