独特な言葉選びから早見えまで 千葉涼子女流四段が“超聞き手”の大活躍/将棋・ABEMAトーナメント
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 盤上を見て、どこからその言葉が引き出されるのか。そう思わせるほどの語りぶりだった。プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」予選Cリーグ第2試合、チーム豊島とチーム羽生の対戦が5月29日に放送された。全7局が行われたが、解説の伊藤真吾六段(39)とともに対局を盛り上げたのが、聞き手の千葉涼子女流四段(41)。解説の言葉を上手く引き出すどころか、それを上回るおもしろワードに早見えまで披露。盤外のMVPとも言えるほどの大活躍だった。

【動画】独特なワードセンスが光る千葉涼子女流四段

 千葉女流四段は、夫も将棋棋士の千葉幸生七段(42)。タイトル2期、棋戦優勝2回を誇る実力者で、放送対局やイベントなどでの聞き手の経験も豊富な女流棋士だ。ABEMAでも公式戦の放送で度々出演。豊富な知識に加え、その場を伝える上で独特な言葉選びがファンの笑いを誘うことも珍しくなかった。

 解説の伊藤六段もYouTuber「イトシン」として話術には自信がある方だが、この日ばかりは千葉女流四段が輝いた。まずは早見えから。第1局、チーム豊島・大橋貴洸六段(28)と佐藤紳哉七段(43)の対局を見守っていると、ふいに中盤のポイントで「▲3四歩ですか。▲4四角、厳しそうじゃないですか?」とつぶやいた。これに伊藤六段も「△同銀と取った時に▲4四角ですか」と対応。千葉女流四段は「でもちょっと心細いような…▲6三飛成、どうですかね」と続けた。先手の大橋六段側に見えた攻めの手順が、淀みなくさらさらと出てきたことに、伊藤六段は「千葉さんの読みが速すぎて、視聴者の方が追いつけないですよ(笑)とんでもない速さですね」とびっくり。これには千葉女流四段本人も「そうですね。サービス精神のかけらもない(笑)申し訳ない」と詫びたが、この早見えは視聴者に大好評。「めちゃ速い」「どこまで読めてるの!?」といった声が大量に押し寄せた。

 棋力の高さを見せたかと思えば、今度は“千葉語録”のオンパレードだ。中村太地七段(32)が超積極的な指し回しをした時には「うわぉー!なんて激しい人!」と表現。詰むや詰まざるやの局面では「うわー!いやぁ、どっきどき」と素直に感情を表現した。続いて、ある局面で一手思いついた時には「先着1名様とか、どうなんですかね」とぽつり。また、羽生善治九段(50)が我慢の一手を指したところで伊藤六段が「苦肉の策」と伝えると、千葉女流四段はひとこと「狭っ!」。この他にも羽生九段の優雅な手つきを「静かな湖面」、赤いスーツに赤い靴下だった大橋六段を「靴下まで炎に包まれた」と説明するなど、ワールド全開で最後まで走り続けた。ファンからは「千葉さんが解説してるじゃんw」「ワードセンスよ」「千葉さんの読み当たりすぎてるw」「名言続出」と好評の声が続いた千葉女流四段。再び従来の聞き手の概念を凌駕する“超聞き手”として登場すれば、新たなワードがきっと誕生する。

◆第4回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名漏れした棋士がトーナメントを実施、上位3人が15チーム目を結成した。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。

(ABEMA/将棋チャンネルより)

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