河野大臣の一喝や業界の猛烈なロビイングも…コロナ禍が加速させた「規制改革推進会議」の裏側を委員の夏野剛氏が明かす
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 政府の「規制改革推進会議」の答申が1日、菅総理大臣に手交された。手続きにおける押印の廃止や賃金のキャッシュレス化、授業・診療のオンライン化など、多岐にわたる項目が盛り込まれた今回の答申。

・【映像】既得権益のロビイングにどう対峙?規制改革推進会議の裏側を夏野剛委員に聞く

河野大臣の一喝や業界の猛烈なロビイングも…コロナ禍が加速させた「規制改革推進会議」の裏側を委員の夏野剛氏が明かす

 菅総理は「規制改革を着実に進め、悪しき前例主義、行政の縦割りを打破することで次の成長の突破口を作る」、頭指揮を執る河野規制改革相も「総理から“直ちに実施計画を策定しスピード感をもって実行せよ”という指示があった。しっかりやっていきたい」と意気込みを見せた。

河野大臣の一喝や業界の猛烈なロビイングも…コロナ禍が加速させた「規制改革推進会議」の裏側を委員の夏野剛氏が明かす

 省庁の壁や既得権益を打破し、デジタル化などを通して便利で豊かな国民生活を目指そうという目的のもと、安倍政権下の2019年10月に常設化された規制改革推進会議。6つのワーキンググループのうち「雇用・人づくりWG」「投資等WG」で委員を務めた慶應義塾大学特別招聘教授でドワンゴ社長の夏野剛氏は、次のように振り返る。

河野大臣の一喝や業界の猛烈なロビイングも…コロナ禍が加速させた「規制改革推進会議」の裏側を委員の夏野剛氏が明かす

 「この答申は去年も出しているが、ほぼそのまま規制改革実施計画というものになって閣議決定されることになる。つまり所管する各大臣がサインすることになるので、我々としても本当はもっとやりたいことがいっぱいあるが、そこはこの1、2年の間に各省庁と戦って合意できたことだけが書かれている。

 2019年10月の第一回会合の時のことだが、メディアがいなくなった後、安倍前総理が僕らに言われた。“簡単なやつは全部やっちゃったので、後は難問しか残っていない。皆さんよろしくお願いします”と。本来は政治任用なので政権が代わるとメンバーも代わることになるが、税制調査会と同様、この規制改革推進会議は常設委員会になったことで政権交代が起きてもメンバーは変わらない。菅さん政権になってさらに推進され、河野大臣がやってきてまた加速した。

河野大臣の一喝や業界の猛烈なロビイングも…コロナ禍が加速させた「規制改革推進会議」の裏側を委員の夏野剛氏が明かす

 僕自身、この1年で最もギャラが安いが最も仕事をしたのがこの規制改革会議だ。社長職よりも大学の教授職よりも忙しかった。官僚とのやり取りでは本当ににっちもさっちもいかないような答弁が出てきたり、そこに対して河野大臣が“そんなんだったらその権限は取り上げて他の省にやってもらう”と言い放ったりと、いろいろな事があった」。

 議論の中では、コロナ禍が思わぬ“追い風”になった部分も大きいのだという。

河野大臣の一喝や業界の猛烈なロビイングも…コロナ禍が加速させた「規制改革推進会議」の裏側を委員の夏野剛氏が明かす

 「本当に大丈夫かな?と思うこともあったが、そこにコロナが来た。その追い風によって、“最も難しい”と言われていたオンライン教育、オンライン診療についても暫定的なものではあるができた。ハンコの改革は“規制”というよりも“民間の慣習”というところが大きいが、それでも手をつけないと出勤が減らないということで一気に進めることができた」。

河野大臣の一喝や業界の猛烈なロビイングも…コロナ禍が加速させた「規制改革推進会議」の裏側を委員の夏野剛氏が明かす

 一方、あまり言ってはいけないがコロナ禍になったことで逆にできなかった改革もたくさんある。最初の会議の時にも挙げられた、国民が“なんで日本だけ許されないんだろう”と感じるような問題が2つあるが、これらは業界団体が非常に強くロビイングもすごく激しいので、政治家が動かされてそのままだ。しかし新しいテクノロジーが出てきて解決が可能になっているのに、古い法律や規制を守ってほしいと政治家にロビイングするのはおかしいと思っている」。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

既得権益のロビイングにどう対峙?規制改革推進会議の裏側を夏野剛委員に聞く
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