東京都の小池知事は2日の都議会本会議で、同性カップルを公的に認める「同性パートナーシップ制度」の導入を検討する考えを明らかにした。
【映像】都が同性パートナーシップ制度導入を検討も…同性カップルが語る“明るい未来”とは?
小池知事は「都内でも12の自治体が同性パートナーシップ制度を導入するなど、性自認および性的指向に関する社会情勢は大きく変化をしていて、制度に関する国民の理解は広がってきている。都においては、今年度、広く都民や当事者の意見を把握するための実態調査を実施するとともに、国内外のパートナーシップ制度の仕組みなど、幅広く調査を行う。これらの調査結果も踏まえて、都としても同性パートナーシップ制度の検討を進める」と前向きな意向を示している。
小池都知事の前向きな発言について、当事者はどのように受け止めたのか。
ニュース番組「ABEMAヒルズ」は、都内在住の同性カップル・今井美亜里さんと近藤佳さんを取材。今井さんは「率直にうれしいなというのが感想ですね」と喜びを明かし、近藤さんは「パートナーシップは、ひとつのステップ。大事なことではありますが、民法が変わらないと何もできない。そのステップとしては良かったなと思います。小池都知事が言ってくれたことがすごく大きい」と意見を述べる。
4年程前に出会って交際を始めた今井さんと近藤さん。二人とも戸籍上は女性だ。以前は「同性パートナーシップ制度」が導入されていた文京区に住んでいたが、現在は導入されていない台東区に引っ越している。
「台東区はパートナーシップが導入されていないので、文京区から出る際には(宣誓書受領証を)返還しないといけなかった。そういう意味では東京都が一体になってパートナーシップを導入してくれるのはありがたいですね」
東京都全体で制度が導入されれば、どこの自治体に住んでいても同性パートナーが公的に認められるかもしれない。しかし、日本にはいまだに同性婚の制度がないなど、LGBTを取り巻く環境は世界に遅れを取っている。だからこそ、今回の東京都の動きをきっかけに明るい未来へ変わってほしいと二人は語る。
「私は同性婚(が認められてほしい)というのがかなり大きいです。性的マイノリティとして生きてきて結婚にあこがれもありましたが、叶うことはないんだろうなと思っていました」(今井さん)
「同性婚じゃなくて、パートナーシップでもいいんです。道は長いんだろうなと思いますが、同等の権利が与えられれば、結婚にはこだわらない。今は『しょうがない』と思っている人がたくさんいると思います。それは国に失望しているからで、それを国が理解しないといけない」(近藤さん)
ニュース番組「ABEMAヒルズ」に出演したアプリクリエイターの関口舞氏は「(制度の導入に向けて)前進はすごく良いこと。企業にも同性同士のパートナーシップに関わる福利厚生を認める動きが広がっている」とコメント。
「例えば、サントリーグループ、KDDI、ミクシィ、楽天グループ、リブセンスなどの企業では、法律婚における配偶者と同様、同性のパートナーにも慶弔休暇などの福利厚生を適用している。こういった動きが進むと入社もしやすくなって、世間の理解も深まっていく」
関口氏によると、アメリカ版のFacebookでは、50種類以上の中から自分に最も近い性別を選択できるようになっているという。関口氏は「社会的な変化も大切だが、(周囲の)理解が進んでいくことで、気持ちが楽になるケースもある」「いろいろな価値観の人が生きやすい世の中になっていってほしい」と期待を寄せた。
(ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)
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