横浜の中華街に「ヨコハマおもしろ水族館」という一風変わった水族館がある。そこで展示されているエビとウツボの不思議な関係が注目を集めている。
ヨコハマおもしろ水族館が公開した、ウツボが口を開けているところに1尾のエビが回り込み、迷うことなく口の中に入っていく動画。まさに「飛んで火に入る夏の虫」。ごちそうのほうから口に入っていく様子が映し出されている。
ところがウツボは口を開けたまま微動だにせず、エビも気にせず口の中を歩いている。ヨコハマおもしろ水族館の飼育員・田上達也さんは「口の中だったり、体のまわりについた食べかすや寄生虫を食べているんですね。ウツボは掃除してもらって、アカシマシラヒゲエビは自分のご飯にありつける」と話す。
紅白の縞模様が特徴的なこのエビは「アカシマシラヒゲエビ」という種類で、口の中を覗き込んで一生懸命に口を掃除する様子はまるで歯科衛生士のようだ。エビはウツボのおかげで食事にありつけ、ウツボはエビのおかげで口を清潔に保つことができる。こうして異なる種が互いに利益を得る関係を「相利共生」という。
とはいえ、常時「食事させてもらう」「掃除してもらう」タイミングが合うわけではないようで、口を開けているウツボに対してエビが見向きもしないときや、逆のパターンでエビがウツボの口に近づいたら振り払われるときも。
なぜウツボはアカシマシラヒゲエビを食べないのか、田上さんは「体色と触覚でアカシマシラヒゲエビだと認識しているので、触覚が体に当たったり、実際にウツボが見て判断しているので、当館ではアカシマシラヒゲエビが食べられることはないです」と説明。さらに、ウツボの餌としてエビを与えていることも明かした。
こうした海の生き物のユニークな様子を数多く展示しているヨコハマおもしろ水族館だが、最近のいち押しが「ダンゴウオ」という魚。パタパタと一生懸命泳ぐ様子がなんともかわいらしい。ヨコハマおもしろ水族館では、コロナ禍で来館できない人のためにとSNSで毎日のように動画を投稿しているということだ。
(ABEMA/『ABEMA Morning』より)