新型コロナウイルスの累計感染者数が世界で二番目に多いインドで、“ある人物”の発言が波紋を広げている。
話題を集めているのは、現在インドでカリスマ的人気を誇っているババ・ラームデーブ氏(55)。ヨガ協会の議長を務めており、YouTubeのチャンネル登録者数は700万人を超える。インドでは言わずと知れたヨガの指導者である彼が、先日「コロナのパンデミックは現代医学の愚かな失敗だ。ヨガでコロナを予防できる」と発言した。
ラームデーブ氏の口から出た「ヨガでコロナ予防」という発言に対して、現在「ラームデーブを逮捕せよ」といった批判が殺到しているという。中でも声を上げているのが、コロナ患者の治療にあたる医療従事者たち。「ブラックデー」(=暗黒の日)と称して今月1日にデモを行い、ラームデーブ氏の逮捕を求めた。
先月インド国内で医療用の酸素不足が深刻な問題になっていた際にも、ラームデーブ氏は「神は私たちに自由な酸素を与えてくれている。なぜ呼吸しないのか?どうして酸素不足が起きるのか?愚か者が酸素ボンベを探している」と発言。
これには国も反応。インドの保健相は、ラームデーブ氏に対して発言の撤回を要求した。
今回のラームデーブ氏の発言について、インドで有数の国立医科大学で院長を務めたアマリンダル・シン・マルヒ医師は「私たちはきょうも黒いリボンをつけて抗議している。ババ・ラームデーブ氏のTwitterには240万人もフォロワーがいる。各地に彼を信じる人が大勢いて、彼の発言を聞いて影響を受けてしまう。彼は無責任な発言をした」と話す。
一方でマルヒ医師は、ヨガ自体を批判している訳ではないという。「ヨガは体にいい効果がありますし、その点では彼をリスペクトしている。だから、インド社会がより混乱に陥るような発言をしないでほしい」と訴えた。
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