「行動を起こせば、また作品がアップされてしまうかもしれない。それでも私は訴えたい」過去の出演作品の拡散に苦しむ元AV女優たち
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 都内で開かれている絵画展を案内してくれた、画家のotsuka sakiさん(36)。ファッションブランドにイラストを提供、写真家としても活躍しているが、前職のことで悩みを抱えている。

・【映像】過去作品を新作っぽく公開?元AV女優の苦しみ

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 実はotsukaさんは2004年にデビューしてから約8年間、「大塚咲」として人気を誇ったAV女優だった。引退してから9年が経った今も、出演作品がパッケージを変えるなどして、“新作”として発売されているのだ。

 「中には知らないメーカーもある。権利が第三者に渡ってしまっているのだろうが、もう契約書は手元にないし、確認しようがない。そこまで契約でOKしたつもりは無かったが、短時間で署名をさせられたので、内容まできちんと把握するのも難しい状況だった」。

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 経歴を隠さずに活動してきたことで、「復活したんですか?」「お金に困ってまた出たんですか?」と尋ねられることもあるという。

 「芸術家として活動する上で足かせになってしまっていると感じる。早いうちに変えていればとも思うが、当時はこういうことになるとは思っていなかった。今の活動を初めて10年も経つし、検索には残ってしまう。そもそも「さき」が本名。今から名前を変えようにも…。過去の活動を後悔しているとか、消したいだとか、そういうつもりはない。ただ、自分が許可していないところで出ていたり、ネット上で無断転載されまくっていたりすることに対しては怒りを覚える。10年、20年と経っても、また“新作”が出てしまうのではないかという恐怖もある」。

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 こうした実情を受け、有識者らで作る「AV人権倫理機構」でも業界ルールを策定、作品販売等停止要請を受け付けている。また、otsukaさんの支援も行っているNPO法人「ぱっぷす」には、「家族や職場、婚約者にいつ知られるか不安」など、ネット上の過去作品に怯える元AV女優たちからの相談が後を絶たないという。

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 金尻カズナ理事長らはそうした相談を受け、膨大な量の動画・画像を1件ずつチェック、サイト運営者に対し販売停止要請や削除要請を行っている。昨年度の削除要請件数は実に2万2735件(※児童ポルノ、リベンジポルノ被害なども含む)に達するという。ただ、海外サーバにデータを置いているケースも多く、特にオフショア地域と呼ばれる、著作権や肖像権に関する制度が未整備な地域の場合、削除は困難を極める。“イタチごっこ”なのが現実だ。

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 otsukaさんは「どうしても自己責任論を突き付けられてしまいがちだが、出演者の中でも女性はどんなサイトがあって、どんな風に販売されて…ということについての想像がつきにくいと思う。私もこういう行動を起こせば、さらにダウンロードサイトに作品がアップされることになるかもしれない。自分にとってはマイナスだが、ちょっとでも問題を世の中に訴えれるならば」と、取材に応じることを決意した理由を明かす。

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 金尻さんも「撮影には同意したかもしれないが、作品の販売方法や、どういう形で拡散するのかを理解しないままだったという相談者の方も多い。男性であれば、FANZAやAmazonはもちろん、Twitterなどでも拡散するということをわかっているが、18歳、19歳の女性にとって、それを予測するのが難しい。そういう情報量の格差、そして交渉力の格差で、断りづらいまま同意してしまうということだ。

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 さらに言えば、モデルになれるとか、高収入という話に巻き込まれて撮影を余儀なくされるケース、芸能界に夢と希望を持って現場に行ったらAVの契約をさせられたといったケースもある。それでも、やはり“身バレ”するまで行かないと本人が被害に気付けないというところも大きな問題だと思う」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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