国会では9日、約2年ぶりに党首討論が行われた。東京オリンピック開催の基準を問われた菅総理が思い出話を語り、議論が噛み合わない場面もあった。
「57年前の東京オリンピック大会、高校生だったが、いまだに鮮明に記憶している。(中略)素晴らしい大会をぜひ今の子どもたちや若者に見てもらい、希望や勇気を伝えたい」(菅総理)
党首討論後の会見で、立憲民主党の枝野代表は「ゼロ回答」と菅総理の答弁を批判した。テレビ朝日政治部の鈴木良一記者も、今回の党首討論は「残念ながら意義があるようには見えなかった」と話す。
「オリンピックを開催する場合の防止策といった枝野代表が質問したことに関して、菅総理は最初の方では触れていたが、途中から1964年の東京オリンピックの思い出話をしだして、関係のない話で論点をずらしたり時間稼ぎをしていたという印象を受ける」
ただ、今回の党首討論が野党に有利に働いたわけでもないという。
「政府のこれまでのコロナ対応に対する国民の不満は大きい。与党側としては総理がしっかりと答弁できないという面では不利だったと思うが、かといって野党が有利かと言われればそうでもない。内閣の支持率が下がっている中で、野党それぞれの支持率は変わっていないか、むしろ下がっているところもあるので、どちらが有利・不利というのはあまり関係がないと思う」
では、今回の党首討論を与野党はどう受け止めているのか。
「与党側は、一番質疑時間が長かった枝野代表を見て、内閣不信任を出してくるような感じはあまりなかったようで、『迫力や勢いも全然なかったし、平和な党首討論だった』という声があった。野党側は、『ここまで来たら不信任を出さない理由がない』とこぼす幹部もいたし、『ここで出すのが自然な流れではないか』と言っている人もいた」