プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」予選Dリーグ第1試合、チーム天彦とチーム広瀬の対戦が6月12日に放送された。この第4局で、鈴木大介九段(46)と広瀬章人八段(34)が対戦したが、その直前に鈴木九段が「よし!麻雀でやろう!今回だけは麻雀で!」と提案する一幕があった。
鈴木九段は早指しの振り飛車党として知られ、迫力ある棋風が特徴だ。また、趣味である麻雀は、プロ雀士顔負けの腕前を持っており、2019年度には日本最大級のプロアマ対抗戦「麻雀最強戦」で優勝。将棋よりも先に麻雀でタイトルを獲得したとして話題になった。
鈴木九段が麻雀対決を提案した理由は、他にもある。広瀬八段も凄腕の雀士で、麻雀最強戦にも著名人枠で何度も登場。今年の大会でも「著名人最強決戦」に出場すると、予選B卓で鈴木九段と直接対決し、敗れていた。一方、本職の将棋ではABEMAトーナメントの前回大会において、予選で対戦。広瀬八段がフィッシャールールへの高い適性も見せて、2連勝していた。
どちらの競技でも激戦必至の2人ではあるが、当然鈴木九段の提案は却下され、将棋で対戦することに。秘策として考えてきた振り飛車穴熊で、広瀬八段の居飛車穴熊に対抗、終盤には「詰めろ」のラッシュをかけて押し気味に進めたものの、あと一歩攻め切れずに敗れた。
ファンからは「言うと思ったw」「やっぱ麻雀」「麻雀と将棋の2面指しだろ」といった声も飛んでいただけに、どこかの機会で鈴木九段と広瀬八段による将棋・麻雀両方を用いた番勝負などあれば、さらに盛り上がるかもしれない。
◆第4回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名漏れした棋士がトーナメントを実施、上位3人が15チーム目を結成した。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)