日本時間の16日夜、アメリカのバイデン大統領とロシアのプーチン大統領が初めて対面での首脳会談を行った。
バイデン大統領がプーチン大統領を「殺人者」と表現し、“冷戦後最悪”とも言われている米ロ関係。会談の内容はどのようなものだったのか、テレビ朝日の外報部の岡田豊デスクが解説する。
会談で関係の進展はあったのか。岡田デスクは「会談後の会見は別々で、一緒にしないところはまだ雪解けとはならなかったが、バイデン大統領は『雰囲気はよく前向きだった』『ロシアと向き合う上で明確な基礎を築いた』、プーチン大統領も『建設的だった』『これだけ(2時間)話すのは他のすべての首脳とそうするわけではない』と話していて、お互いにジャブを繰り出す一方で、握手に向けた前段のところ。サイバー攻撃や核軍縮に関して、これからお互いに話し会おう、新しい枠組みを作るというのは前進だ。お互いに大使を追放し合って、それを近々戻そうというところまでいっている」と説明し、「一定の成果はあったのでは」との見方を示す。
では、トランプ前政権からバイデン政権に変わったことによる影響はあったのか。トランプ前大統領とプーチン大統領は「水面下で共通の利益を持ってつながっていたのでは」との見立てを示し、「ある国際会議で、プーチンさんのところにトランプさんが寄って行くような姿があって、トランプさんはプーチンさんに弱みを握られているのかと想像した。バイデンさんはおそらく、トランプさんとプーチンさんの関係を断ってケジメをつけたいと思っていると思う。転換させようと一歩を踏み出した」とした。
そうした中、バイデン大統領が最も見ているのはロシアではなく中国だという。岡田デスクは「バイデンさんの頭の中は、中国とどう対峙するかが一番。ロシアとのいざこざをとりあえず収めたく、『プーチンさん、ちょっとおとなしくしていてくれないか』というのが思惑だったと思う。ロシア側は中国との経済関係を深めたいという思惑があり、中国側はロシアとの関係を深めてアメリカに対峙していきたいということがある。この絆は強いが、今回中ロの関係に楔を打ったというところまではいかなかった」と分析した。
(ABEMA NEWS)