2000年以降、急激に建設・計画が増加しているタワーマンション。一般的に20階以上、60m以上の住居を指し、コンシェルジュやジム・パーティールームも設置されるような高級物件だが、今後5年で首都圏に建てられるマンションのうち、実に5棟に1棟が“タワマン”との推計もある。

・【映像】コロナ禍でも人気衰えぬ“タワマン”中では見栄の張り合い!?住人に聞いてみた

 『湾岸マンション価格ナビ』編集長のふじふじ太氏は「コロナ禍でさらに人気が高まっているように思う。確かに1回目の緊急事態宣言の時には成約数が下がってしまったが、解除されるとまた増えてきた。2回目の緊急事態宣言の時にはむしろ成約数が上がっているし、コロナに関係なく、人気が過熱していると言っていい。また、実体経済が良くないし、オリンピック後には不動産価格が下落すると言われているが、住宅ローン金利が上がるとか、銀行が崩壊するといったことは起こるのは現実的ではない。その意味では、現時点でマンション価格が下がっていくということは考えにくい」と話す。

 東洋経済新報社・会社四季報センター長の山田俊浩氏は「地方では県庁所在地に地元の金持ち用のタワマンが建っていることがあるが、何本も建つということはないし、中途半端な立地の物件では、なかなか完売しない場合もある。ただ、東京で言えば中央区、千代田区、港区の都心3区が特に資産価値が下がりにくいと言われていて、集中的に買われている。ここで効率的に開発をしようとすると、自ずとタワマンになってくるということだ。当然、こうしたエリアの物件は成約しやすいし、価格も上がってくる」と話す。

■子ども同士のマウンティングを目撃も、住み続ける理由

 一方、“タワマン”と言えば、高層階の住人が低層階の住人に“マウンティング”をするという印象を持っている人もいるだろう。漫画『おちたらおわり』では、「狭っ。こんなとこに家族5人も住んでるの?同じタワーなのに広さも値段もウチの半分以下だわ絶対」「窓から見えるの木じゃん。大きめのアパート住んだ方がマシじゃない」といった台詞など、容赦ない“タワマンマウント”の様子が描かれている。

 タワマン歴7年の男性は、「エレベーターで1ケタの階に住んでいる人たちが行き先階ボタンを隠したり、“あら、それぐらいのところに住んでらっしゃるのね”って上層階の人がお声をかけたり…」と、露骨な“タワマンマウント“の実態を明かす。

 さらに匿名のネット掲示板には、台風に伴う豪雨で、タワマン全体でトイレの使用ができなくなった際の「下の階で排水から汚物が吹き出している。上の階の住民はトイレを使うのをやめてほしい。こんな時こそ助け合おうとは思わないのか」と訴える低層階住人に、「こっちはあんたんとこより数千万多く出しているんだわ。言われる筋合いないね。クソにまみれて暮らしな。低層の事なぞどうでも良い」と激しく罵る高層階の住人の姿も。

 長年タワマンで暮らしてきたひろのしんさん(仮名、46)は、住人同士が“17”とか“37”などと階数で呼び合う姿、さらには子ども同士が入居している階数でマウンティングする様子を目にしたことがあると話す。

 「相手にダメージを与えられるということを子どもたちが認識していることにショックを受けた。親御さんがちょっとそうなのかなというふうに感じた。住人の会合の後のランチ会でも、“相場観のズレ”が激しい。“ランチに何千円もかけているのか”と驚く人と、“それくらい当たり前ではないか”という人がいるので、ギクシャクしてしまう。そうやって観察していると、この人は中層、この人は高層というのが透けて見える。ただ、高層の方は災害時などに大変だと思う。私もエレベーターの保守点検の時に荷物を持って階段を上がるのがしんどい。そういうことを理解した上で住むことを選ばないとダメだ」。

 それでもひろのしんさんが引っ越さないのは、タワマンに圧倒的な利便性があるからだという。「住んでいて快適だ。タワマンは基本的に駅の傍、あるいは駅直結なので、都内であれば車を持たなくてもすぐにどこかへ行ける。また、流動性が高い。飽きてしまったり、マウントが激しくて住みづらいと感じたりしても、すぐに手放す、あるいは貸し出せる。そこが決定的に違う」。

■修繕費が住人たちの重荷に…30年後には廃墟の可能性!?

 戸建てとマンションの両方に住んだ経験があるというテレビ朝日の平石直之アナウンサーは「戸建ての場合、隣に声が筒抜けになったり、窓を開けていると前の道路を歩いている人と目が合ってしまったりすることがあるが、マンションなら隣の声も聞こえないし、少し高さがあれば窓を開けても虫も入ってこない。災害や災害のリスクを考えれば、むしろ低層階を選ぶことでその快適さが享受できるわけで、マウンティングしている場合じゃない」と指摘する。

 著書『限界のタワーマンション』もある住宅ジャーナリストの榊淳司氏は「私は長らくマンションの広告を作ってきたが、上から見下ろしているようなビジュアルにするのがセオリー。“タワーマンションの需要層は見栄っ張りだ”と依頼主からの指示書に書いてあるくらいで、やっぱり“バカと煙は高いところに登りたがる”という、日本人の特性があるのかもしれない」と苦笑する。

 「やはり住む方の価値観なので、“タワマンがいい”と思っていらっしゃる方にとってはとても良い所だと思う。ただ、東京でも湾岸エリアには駅から遠い物件や、都心まで複数の乗り換えが必要な物件もある。眺望がいいということで高層階をお選びになっている方が多いと思うが、いつも微妙に揺れているので、乗り物酔いしやすい方などの中には体調が悪くなる方もいらっしゃる。また、災害に弱い面もある。停電が起きるとエレベーターだけでなくトイレの汚水を流すポンプが使えなくなり、非常に悲惨なことになってしまうこともある。

 綺麗に作られていれば50年、100年と持つと言われているが、部屋の間の乾式壁のはめ込みに問題があると、隣の声も聞こえやすくなるし、外壁の素材も定期的なメンテナンスは必要だ。1997年の建築基準法改正降、非常に建てやすくなったのがタワマンだ。つまり2000年前後に出来た物件が、そろそろ一度目の大規模修繕工事を迎える。高層階の外壁の修繕のためには足場ではなく屋上から吊るしたゴンドラで工事をする必要があるため費用がかかる上に、風が強いと作業ができなくなる。さらに二度目の修繕になるとエレベーターや上下水道の管などの交換も必要になるため、さらに費用がかかってくる。

 もちろん積立金があるので一度目はクリアできても、住んでいる人が高齢化してくれば年金暮らしの人も増えてくる。さらに“かっこいい”という理由で買う人も多いので、築20年、30年と経った物件を若い人たちが買うかどうか。30年後くらいに廃墟になりかけたタワマンが出てきても不思議ではない」。

■兼近大樹「タワマンでテンション上がる女性は苦手です(笑)」

 こうした議論について、前出のふじふじ太氏は「マンションの長期修繕計画は30年までしか策定されていないことが多く、修繕積立金が足りなくなってくるかもしれないという問題意識から、早々に対策をしている管理組合の理事さんもいる。そもそも修繕積立金が足りなくなるとか、廃墟になる可能性があるというのは小規模マンションにも言えること」と指摘する。

 「やはりタワマンに限らず、やはりマンションの特徴をしっかり理解する。駅からは遠いがその分だけ敷地が広く共用部が豪華という物件を選んでもいいし、共用部は使わないし、そのための高い管理費を払う必要もないと感じるなら、駅直結で利便性が高い物件を選んでもいい。自分の嗜好やライフスタイルと物件の個性がマッチしているかをしっかり見極めるべきだ。そもそもエレベーターを待つのが嫌だという方は絶対に住まない方がいいと思う。人それぞれの価値観だし、無理して買うことはない」と話した。

 タワマン住まいのEXITりんたろー。は「“バカと煙は高いところに住みたがる”、僕はそのバカの一人だ(笑)。そして、エレベーターで、僕よりも上の階に住んでいる奥様が、行き先階ボタンを押しながら“どうも~”みたいな感じの表情でアピールしてくることもある(笑)。でも、高級車を乗り回した人がプリウスを選んだり、高級腕時計を付けまくった人がApple Watch付けたりするみたいな感じで、タワマンの後は低層階に住みたい。そういう成金のベタなコースを歩みたいと思って、今は低層階を探している」とコメント。

 相方の兼近大樹は「僕はりんたろー。さんの倍以上も高い、最上階に近いフロアに住んでいるので、2倍バカだ(笑)。しかも、バカな所に住もうというテレビ企画で住んでいるから(笑)。でも、初日からずっと体調が悪い。空気も薄い感じがするし、気圧が低いので耳がキーンとなる。マウントなんて取れるような場所じゃない。恥ずかしい。タワマンでテンション上がる女性は苦手です(笑)」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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