21日、東京オリンピック・パラリンピックの観客数の上限を「1万人」とすることが、組織委員会、政府、国際オリンピック委員会(IOC)などによる5者協議で決定された。
事前には「開会式だけは別枠でスポンサーの招待客などを加えて2万人とする」案も浮上していたが、その点はどうなったのか。テレビ朝日社会部・五輪担当の岩下耀司記者が解説する。
観客の方針については前回4月28日の5者会議で決定される予定だったが、その後の感染状況が見通せないことから先送りされていた。今回決定した経緯について岩下記者は「日本政府は国内のイベント制限として定員の50%以下かつ上限1万人と示していて、5者協議でもそうした方針に基づいて決定を下すという話が出ていた。前回の段階では観客をどれだけ入れられるか具体的な数字などは出ていなかったが、今回は6月の感染状況などを受けた方針の下、定員の50%以下で上限1万人ということが明確に決まった」と説明する。
では、観客数上限の1万人には各国の要人などは含まれるのか。「今回決められたのは“観客数”の上限という形で、各国の“要人”や大会運営に必要なNOC/NPCといった“大会関係者”は観客数の中には含まれない認識が示されている」とし、開会式の観客上限を2万人とする案についても「これに関しては、2万人より少なくなる見通しであることが明らかにされた。実際にどのような人たちがどれだけ入るのかは精査中という話なので、今後明らかになってくると思う。ただ、観客と言われる1万人に大会関係者なども含めると、実際の人数はそれ(1万人)よりも多くなることは十分に考えられる」とした。
感染状況が収まらず緊急事態宣言などが再び必要になるような事態となった場合について、橋本会長は「無観客の覚悟がある」、菅総理は「無観客も辞さない」といった認識を示している。今回の5者協議でもこの点には触れられていたそうで、「来月12日以降に緊急事態宣言またはまん延防止等重点措置が発出されていた場合の観客の取り扱いについて、無観客も含めた柔軟な対応をするということが対応方針として発表された。具体的にどうするかまでの議論はされていないが、発出されたタイミングで速やかに5者協議を開き対応を決めることになっている」と、ギリギリまで協議が続けられる可能性があるということだ。