サッカー少年だったら1回は読んだことがある漫画といえば「キャプテン翼」だろう。1981年に連載開始されると、日本国内にサッカーブームを巻き起こした。さらに、アニメは海外でも放送され、世界中に大きな影響を与えた。
6月13日からブラジルで開催されている南米選手権「コパ・アメリカ2021」には、まるでキャプテン翼の大空翼と岬太郎を思わせる黄金コンビがいる。アルゼンチン代表のリオネル・メッシとアンヘル・ディ・マリアだ。
歴代最多6度のバロンドールを受賞し、サッカー史上最高の選手とも言われる“生ける伝説”リオネル・メッシ。レアル・マドリーやパリ・サンジェルマンで活躍した“最強のバイプレーヤー”ディ・マリア。
左利きで、同い年という共通点がある2人がアルゼンチン代表でコンビを組むようになったのは2008年から。数多くの試合を重ねることで、2人のコンビネーションはもはや円熟の域に達している。
6月22日、南米選手権「コパ・アメリカ2021」のグループA第3節、アルゼンチンvsパラグアイでも2人による黄金コンビを発動させ、パラグアイに勝利。2勝1分けとし、1試合を残してチームを決勝トーナメントに導いた。
前半9分、ハーフウェーライン付近でボールを受けたメッシが1人かわしてドリブルで相手陣内に侵入、そしてディ・マリアへボールを預ける。ボールを受けたディ・マリアは周りの状況を見ながらスルスルと中へボールを運び、スルーパスを送る。
2人からの完璧なお膳立てを受けたのは今大会初先発のアレハンドレロ・ゴメス。GKが出てきたところを冷静にループで狙い、鮮やかにゴールネットを揺らした。
その後も、アルゼンチンはメッシとディ・マリアを中心に幾度となくチャンスを生み出した。スコアこそ最小得点差の1-0だったが、メッシとディ・マリアは何度もコンビネーションを見せてパラグアイのゴールを脅かした。
クラブでは数々の栄光を手にしてきたメッシとディ・マリア。しかし、アルゼンチン代表ではまだ優勝していない。33歳という年齢で迎える今回のコパ・アメリカでは何としても優勝したいと燃えているはずだ。
果たして、アルゼンチンは悲願のタイトルを獲得することができるのか。“リアル・翼くん&岬くん”が試合中に繰り出す“魔法”の数々に注目してほしい。
文・渡邉知晃