本年度の賞レースを席巻し、アカデミー賞脚本賞受賞、主要5部門のノミネートを果たした7月16日(金)公開の映画『プロミシング・ヤング・ウーマン』にはブリトニー・スピアーズ「Toxic」やパリス・ヒルトン「スターズ・アー・ブラインド」が使用。そのサウンドの魅力を紹介する。
30歳を目前にしたキャシー(キャリー・マリガン)は、ある事件によって医大を中退し、今やカフェの店員として平凡な毎日を送っている。その一方、夜ごとバーで泥酔したフリをして、お持ち帰りオトコたちに裁きを下していた。ある日、大学時代のクラスメートで現在は小児科医となったライアン(ボー・バーナム)がカフェを訪れる。この偶然の再会こそが、キャシーに恋ごころを目覚めさせ、同時に地獄のような悪夢へと連れ戻すことになる……。
監督は、ロマンティック・コメディと復讐劇を融合させた独創的な自身の脚本で、長編デビューを飾ったエメラルド・フェネル。監督&脚本賞のダブルノミネートを果たし、脚本賞を見事に受賞した。主人公を演じたキャリー・マリガンは、批評家たちから「キャリア最高の演技」と絶賛を浴び、多くの賞を獲得している。
「内容がハードだからと言って、見るのがつらい映画である必要はない。」 この言葉に込められたサウンドトラックの魅力とは
アップビートでポップ、そしてスリリングなサウンドトラックで彩られた本作。『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』(19)ゲーム「フォートナイト」の楽曲も手掛けたアンソニー・ウィリスが音楽を担当した。サウンドトラックについてエメラルド・フェネル監督は「居心地が良い魅力的な世界を作りながら、心の中では他者に対し過剰な同情心を持っているのが、本質的には女性だと感じたのです。そして物事を砂糖でごまかす感覚、つまり本作のトーンやサウンドトラックは、スプーン一杯の砂糖なのです。」と話した。重いテーマの中に、ポップで花束のようなサウンド、そしてスローながら毒々しい弦楽器の音が流れ、そこに込められたブラックユーモアがキャシーのうごめく復讐心とともに確実に近づいてくる。
特筆すべきは、日本版の予告編でも使用され、注目の的になった、90年代からアメリカを一世風靡したブリトニー・スピアーズの“Toxic”。スリリングにしてエキサイティング、ロマンティックなのに恐ろしい、そのすべてを表現させたのは、甘くも危険な香りが漂うこのメロディのお陰なのだ。様々なエッジの効いた魅力が詰まる本作に期待だ。
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