流行の“中心地”は雑誌よりもSNS? 『Seventeen』月刊終了、集英社の“舵取りの速さ”に「他社はみんなショック」の声
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「集英社女性誌『Seventeen』は、これまで培ってきたコンテンツ力・編集力を基盤に、さらにブランドの強化をめざし、デジタルをメインとする新体制にてスタートを切ることになりました」

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 今月22日、9月1日発売の10月号をもって月刊発行を終了し、デジタルをメインとする新体制をスタートさせることを発表した集英社の女性誌『Seventeen』。1968年に創刊され、北川景子さん、本田翼さん、武井咲さんなど、今をときめく女優たちや有名モデルを数多く輩出し、女子中高生にとって流行の“発信地”であり“中心地”でもあった。

 月刊誌終了の発表を受け、かつて専属モデルを務めていた女性芸能人たちもSNSなどで、セブンティーンに感謝の思いを寄せている。

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 一時代を築き上げた人気雑誌が迎えた大きな転換点。出版学の専門家で専修大学・植村八潮教授はこの流れに「他の出版社にも大きな影響がある」と語る。

「他社はみんなショックだったと思う。『Seventeen』はまだ“鉄板”ですから、舵取りが速いと思ったはず。元々、小学館なども『Seventeen』のライバル誌を持っていて、それが廃刊になった今は『Seventeen』一強になっていた。それがこうやって切り替えられると、その上の(世代が読む)ファッション雑誌は今も苦しいのに、下(の世代)が入ってこない」(以下、植村八潮教授)

「元々『Seventeen』(集英社)から『ViVi』(講談社)に移行する子は多いのに、『Seventeen』がなくなって、今度は『最初からViViを買ってくれますか?』となる。だから、『Seventeen』の月刊発行終了は他社もかなりショックだったのではないか。やっぱり若いうちに雑誌を買って『ファッションは雑誌から学ぼうね』という雰囲気があってこそ、今の20代のファッション誌がある。(『Seventeen』の月刊発行終了で)5年後の読者がいなくなってしまう」

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 年齢が上がるに伴って、読む雑誌も変わっていくもの。しかし、今は最初に手にした携帯電話がスマートフォンといった10代も多く、紙の雑誌からファッションに関する情報を得ようとしなくなっている。

 集英社によると、雑誌の発行は来年3月以降、年3回から4回になり、今後は新たに立ち上げるウェブサイトなどを活用。新体制では、専属モデルやタレント、読者、インフルエンサーが発信し、情報でつながる「双方向のコミュニケーションの場」への進化を狙うとしている。

■SHIBUYA109 lab. 所長・長田麻衣氏「流行の中心地はSNSになった」

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 人気雑誌のデジタル移行に、SHIBUYA109 lab. 所長の長田麻衣氏は「流行の中心地が雑誌ではなく、SNSになってきている」とコメント。その上で「一方的に展開するようなサービスは限界がきている。SNSを見ると、双方向のコミュニケーションを大切にしている若者がすごく多い。その中で一緒にアカウントを作っていくような、“共創”が求められている」と話す。

 SNSで流行をウォッチし、“一緒に作っていく”ことを重視している若者たち。長田氏は「SHIBUYA109 lab. では、LINEで約900人の若者とやりとりできるコミュニティがあるが、こちらが上から目線や下から目線になるのではなく、横から同じ目線で会話をしていくことを大切にしている」という。続けて「バランスを取りながら、“ゆるい距離感”を作っていく。来る者拒まず去る者は追わず、そこにいることが嫌にならないような、コミュニティを目指している」と、コミュニティ作りの心がけを明かした。

ABEMAABEMAヒルズ』より)

【映像】女性誌「Seventeen」月刊終了、デジタル軸へ
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