超早指しなら最強クラス 広瀬章人八段、2年連続で予選無敗 通算勝率.917の衝撃/将棋・ABEMAトーナメント
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 超早指しのタイトル戦があったなら、タイトル候補者として確実に名前が出ることだろう。プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」予選Dリーグ第3試合、チーム永瀬とチーム広瀬の対戦が6月26日に放送され、広瀬章人八段(34)は第3局、第6局、第7局に登場。全てに勝利し、第1試合の2連勝と合わせて予選で無傷の5連勝を飾った。前回大会でも予選・本戦通じて6勝1敗と好成績だったが、今年も合わせて11勝1敗、勝率にして.917という圧巻の成績となった。

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 これが適性というものか。タイトル経験もあり、順位戦でもA級。いつまたタイトルを取ってもおかしくない棋力の持ち主ではあるが、持ち時間5分・1手指すごとに5秒加算というフィッシャールールにおいて、広瀬八段はとにかく強い。チーム永瀬との対戦でも、タイプの異なる3人と戦い、これを全て撃破。「(予選5勝のうち)3戦ぐらいは負けそうな将棋だったので、あまり威張れたものではないですが…」と謙遜するが、快勝あり逆転勝ちありと、見せ場も十分の連勝劇となった。

 まずは第3局。相手の屋敷伸之九段(49)は第1局、第2局と連勝し勢いをつけて臨んできた。もともと早見えで、このルールにフィットしてくれば強大な力を発揮するベテラン棋士。矢倉の出だしから「予想が外れて持久戦模様になった」ところ、序中盤までペースを握られたが、そこから巻き返せるのは地力によるもの。「開き直って指したのが功を奏しました」と振り返るように、見事な逆転勝利を収めた。

 次の第5局では、若手ホープの増田康宏六段(23)をねじ伏せた。増田六段の居飛車穴熊に対して、初タイトルを獲得したころに多用していた振り飛車穴熊(三間飛車)を採用。お互いに堅い形ではあったが、攻めの手番になったところで相手をスパッと斬り落とすような戦いぶり。解説していた千葉幸生七段(42)も「広瀬八段の振り飛車穴熊が冴え渡った。名局と言っていい内容」と絶賛した。

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 ラストは第6局。現在の将棋界において「4強」に数えられる永瀬拓矢王座(28)と戦った。急戦調の矢倉で始まったところ「序盤の指し方があまりに雑で、正直かなり差がついてしまった」というほど、早々にリードを奪われた。相手は“絶対に負けない将棋”に徹し、辛い手も平気で連発する永瀬王座。逆転勝ちをするには実に難しい相手ではあるが、終盤まで粘り続けると、ついに逆転への道筋を見つけ、そこからはきっちりと逃げ切っての一手勝ち。つかんだチャンスを確実にものにする勝負強さが現れた。

 対局した増田六段が「フィッシャー最強の3人は広瀬章人八段と藤井聡太王位・棋聖と木村一基九段」と言えば、永瀬王座も「藤井さんに2連勝する人を見たことがなかったので、とてもフィッシャーに対して高い適性を持っている方」と、高く評価する広瀬八段の超早指し適性。ファンからも「広瀬先生最強」「フィッシャーキング名乗っていいよ」「やっぱフィッシャー最強候補だな」といった声が相次いだ。2年連続の予選無敗、通算11勝1敗という成績を見れば、その言葉も納得だ。現在、このルールでの公式戦は存在しないが、将来採用されたなら広瀬八段の活躍は誰もが容易に想像する。

◆第4回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名漏れした棋士がトーナメントを実施、上位3人が15チーム目を結成した。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。

ABEMA/将棋チャンネルより)

激闘を制したチーム永瀬
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フィッシャールールでの勝率9割超え
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いよいよ力を発揮し始めた屋敷九段
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