「生きた心地がしない…」“おでんツンツン男”が語る炎上後の生活

 今月、宅配ピザ店の厨房内で撮影された動画に批判の声が相次いで寄せられた。

【映像】「Twitterに載せなきゃ、晒さなきゃ」炎上した宅配ピザ店の“バイトテロ”動画

 動画を見てみると、アルバイトの男性店員がヘラを使って、何度もシェイクを舐めている。男性店員は特定の人だけが見られる非公開のInstagramアカウントに動画を投稿していたが、瞬く間にネット上で拡散。コロナ禍における不衛生行為として、「またバイトテロ…」「汚い!ほんと嫌!」「なんでこういうことするんだろう…」といった声が集まっていた。

 こうした迷惑行為が店舗や企業にお咎めを受けるのはもちろん、ネットには動画として残り、半永久的に晒され続ける。ネット炎上の当事者は一体いつまで“十字架”を背負わないといけないのだろうか。

 ニュース番組『ABEMA Prime』では、今から5年前に“おでんツンツン男”と呼ばれネットで大炎上した豊嶋悠輔氏(32歳)と共に考えた。

■ “おでんツンツン”で「まさか捕まるとは……」2016年に起こった“第2次バイトテロブーム”

「生きた心地がしない…」“おでんツンツン男”が語る炎上後の生活

 番組に動画出演した豊嶋氏は、開口一番に「はじめまして、豊嶋悠輔です。5年前は本当に世間の人に大変ご迷惑をおかけしました。それは最初に言っておきたくて……」と謝罪。

 2016年、ネットで大炎上したコンビニのおでんを手でつつく動画。豊嶋氏は21回もおでんを“ツンツン”した結果、威力業務妨害などの容疑で逮捕された。その後、不起訴処分になったが、今もネット上には動画や個人情報が残っている。豊嶋氏は「俺自身もああいうことはモラルがなかったなと思う」とコメント。「そこは24時間営業ではなく、0時に閉まるコンビニで、店員と顔見知りだった。俺がおでんをツンツンしたのは閉店後の0時5分。あのときは全くこうなると思っていなかったので、全開でおでんをツンツンしている。まさか捕まると思っていなかった」と振り返った。

「正直いうと、俺は自分のお店を経営していて、パフォーマンス的にお店を盛り上げようと思っていた。そのときに毎日動画を撮ってSNSに投稿していた。毎日やっていると、面白いことがなくなってきて、どんどん『今日はこれをやらないといけないのか』と悩んでいた部分もあった」

「生きた心地がしない…」“おでんツンツン男”が語る炎上後の生活
「生きた心地がしない…」“おでんツンツン男”が語る炎上後の生活

 インターネットに詳しくない豊嶋氏は、ネット掲示板『2ちゃんねる』で自身の住所が特定された際は驚いたという。

「よく調べられるもんだなって。全然インターネットとか知らないから。特定されたからといって引っ越しできるかといったらそういう話でもないし。ビビってもしょうがないなって思った。ご迷惑をおかけしたのは大変よくないことだと思っているが、俺自身も本当にこうなると思っていなかった。『そんなの気にしなくっていいっしょ』ぐらいで、正直インターネットをなめていた」

 ネット掲示板『2ちゃんねる』創設者のひろゆき氏は「ネット上でワーワー言われてしまうのは分かるが『逮捕されるほどのことなの?』と思った。逮捕されて牢屋みたいな場所に入ったんですよね?」と質問。豊嶋氏は「留置場みたいな場所に入った」といい「そこでは何もできない状態で、家族や周りのことを考えていた。逮捕が嫌だったわけではなく、家族に迷惑が露骨にかかった。いたのは7日くらいだったと思う」と語った。

 豊嶋氏のエピソードを聞いたひろゆき氏は「たかがおでんをつついただけじゃないか」と苦笑い。拡散された当時の動画は、一緒にいた友達が撮影したという。

「生きた心地がしない…」“おでんツンツン男”が語る炎上後の生活

 ネット炎上など、リスク管理のアドバイスを企業に行っている株式会社MiTERU代表のおおつねまさふみ氏は「2016年は第2次バイトテロブームだった」と話す。

「あの当時“第2次バイトテロブーム”とよく言われていた。アルバイトの若い子がお店の厨房で不適切な行為、ちょっと汚らしいことをするといった事件が流行った時代だ。(おでんツンツン動画は)第2次バイトテロブームを代表する炎上事件の1つになっていて、警察も手続き上、告訴的なことがあったら逮捕して事情を聞かざるを得ない。手続きがあるので逮捕に至ったと思うが、ある程度、世論というか世間の流れを見る傾向がある。『2ちゃんねる』で炎上しているから『事情を聞こうじゃないか』という動きになったのだろう。証拠隠滅の恐れもなく、住所、氏名も分かっているのであれば逮捕する必要はないと思うが、警察が恣意的に逮捕したのだと思う」

「生きた心地がしない…」“おでんツンツン男”が語る炎上後の生活

■ 「生きた心地がしない」ネット炎上後に“イタズラ電話”も

 テレビで自身の行為が報道された際、豊嶋氏は「映り方がすごい残酷だった」と述べる。

「インターネットのことはよくわからないが『2ちゃんねる』は警察を動かす力もあるんだなと思った。『2ちゃんねる』では、俺の悪口がたくさん書かれた。その中にたまに『豊嶋君はそんなやつじゃない』っていうコメントもあったが、それは俺が自分で書いていた。だってヘコむから(笑)。ジャーナリストさんは、あれだけネットの掲示板に書かれたことがないから分からないと思うが、生きた心地がしなかった」

 ネットの炎上によって豊嶋氏の生活や周りには、どのような影響があったのだろうか。

「嫌がらせはメチャクチャある。お店に“ツンツン”って言われるイタズラ電話が来る。でも、忙しいのか知らないけど、たまに1週間くらいイタズラ電話がかかってこなくなるときがあって、かかってこないと逆に『あれ? あいつ大丈夫かな?』と心配になる」

「生きた心地がしない…」“おでんツンツン男”が語る炎上後の生活

 今後について「今は一人ひとり会った人に『俺はこういうやつだよ。実はこういう良い行動もしているよ』と、分かってもらうのが役目だと思っている。モラルを持った行動を取れるようにしてきたい」と話す豊嶋氏。

 バイトテロやそれに類似する迷惑行為は、店舗や企業側にとって大きなダメージになりかねない。おおつね氏によると「過去にたくさんバイトテロに伴う炎上がたくさん起こって、企業はその度に再発防止策や厳正な処分、謝罪を含めたプレスリリースを出している。今は調理場にスマートフォンの持ち込みを一切させないチェーンもある」という。

 企業を巻き込んでネット炎上するバイトテロ動画。後々になって後悔しないためにも、節度ある行動が求められている。

(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

【映像】ネットで大炎上した豊嶋さんの“おでんツンツン”動画(3分ごろ~)
【映像】ネットで大炎上した豊嶋さんの“おでんツンツン”動画(3分ごろ~)
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